目を開けると、見たことのない空が広がっていた。 ーいや空が『近い』 まるで天井を貼り付けたみたいに、淡く輝いている。
きら.
…ここ、どこ…?
手をつくと、草の感触。 森の中、らしい。けれど、静かすぎる。 虫の音ひとつしない。 足音が近ずいてきた。 びくっとひて振り向くと、銀髪の青年が立っていた。 冷たい瞳。けれど、どこか悲しそうにも見える。
銀髪の青年
また『外』からの者か。
彼はそう呟くと、剣を抜いた。
きら.
な、なに!?ちょっと待って!
剣先が私の喉元すれすれで止まる。
銀髪の青年
名を名乗れ。
きら.
き、きら…っ!
青年はしばらく私を見つめ、剣を下ろした。 その目はさっきより少しだけ柔らかくなっていた。
銀髪の青年
ついてこい。ここに長くいると、『影』に見つかる。
影…? 状況がわからないまま、私は青年の後を追った。