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カチャ

紅紫

ただいま

しーん

紅紫

あれ? いないのかな?

いつもなら紅紫が帰ってくるなり、同居人が思いっきりハグしてくるのだが…………

『恥ずかしいから、やめろ』と、何度言っても聞かない

紅紫

紅紫

(そういえば、今日、御役目があるから)

紅紫

(少し遅くなるって、言ってたっけ)

そのまま倒れ込むように、ベッドへダイブする

紅紫

疲れたな……

紅紫

ふぁ〜……

紅紫

(なんだか……眠くなってきた…………)

瞼を閉じ、眠りに落ちていった

霊安室

声の主は横たわる██のそばへと駆け寄った

辺りに響く悲痛な叫び声…………

紅紫

紅紫

…………“あのとき“の……………………

どんなに泣き叫んでも、それは二度と起き上がることはない

幼い子どもたちは戸惑い気味に見つめる

紅紫

……あ…………

ぱちり

紅紫

紅紫

……夢…………?

うつぶせで眠っていたせいか、体がぎこちない

紅紫

(……あれから、もう…………)

紅紫

紅紫

……はぁ

紅紫

(なんか、体が重く感じる…………)

なんとなく、視線を背後に向けると……

慎哉

…………

慎哉が紅紫の背後から腕を回し、添い寝していた

紅紫

……?!

バシっ

思わず引っ叩いてしまった

慎哉

……痛い

非難するような目で紅紫をにらむ

紅紫

…………引っ叩いたのは、悪かったけどさ

ふたりはベッドから下り、向かい合って正座している

紅紫

(疲れてたとはいえ)

紅紫

(慎哉の気配に、気づかないなんて…………)

いつもの紅紫なら、眠っていても気配を感じれば、すぐに飛び起きたのだが…………

紅紫

(……不覚……)

慎哉

そもそも──

慎哉

あんたが無防備に、うつぶせで寝てたのが悪い

紅紫

え? ボクが悪いの?

慎哉

だから、つい──

慎哉

抱きしめて、添い寝してしまった

紅紫

慎哉

まるで背中に乗ってと、言わんばかりの────

紅紫

どこから、ツッコめばいいんだ

額を押さえる

3日後

ふたりは家飲みをしていた

紅紫

──それぐらいにしたら?

慎哉

まだ、飲める…………

紅紫

顔が赤いよ

慎哉

……なんで、あんたは……平気なんだ……?

紅紫

紅紫

ボクに酒でも飲ませて、酔わそうとしてた?

慎哉

…………

紅紫

甘いね

紅紫

これでも、酒に強いんだよ

紅紫

ちなみに逝(セイ)も、酒が強い

むかっ

慎哉

…………

紅紫

水、持ってくるね

慎哉

──俺よりも、そいつの方がいいのか?

紅紫

え?

押し倒される

チュ

紅紫

……!

慎哉

……ん…………

紅紫

…………っ……

慎哉

紅紫

慎哉

はぁ……

紅紫

(…………酒くさっ)

慎哉

…………紅紫

紅紫

……おい

紅紫

……どこ、触ってんだ

慎哉

……ん…………

紅紫

慎哉

…………こう、……し…………

しばらくして、寝息が聞こえてきた

紅紫

まさか、寝ちゃったの?

慎哉

……スー……

紅紫

……マジか

慎哉

…………

紅紫

……おーい、起きて

反応はなかった

紅紫

…………どうするの、コレ?

ボクと同居人と隣人と

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