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『君と僕の忌避進路』

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『君と僕の忌避進路』

16 - 崩れ往く『エリート』

♥

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2023年07月27日

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昨日、僕は家に帰らずにライブハウスのオーナーさんに頼んで、控え室の1つを貸してもらって、そこで泊まった

今、母と会えば心がどうにかなりそうだったんだ

そして今日は、少し心を落ち着かせたくて、1人で外へ出ている

真冬

(…うん、まだ少しモヤモヤしてるけど、だいぶ落ち着いた)

真冬

(そういえば、このこともいつかお母さんに言わないとなんだよね…)

昨日彼方さんと決めた、『どんな道があるのかを知る』こと

それは僕1人で実行するには不可能な話で、なおかつ母のいる環境じゃ、どんなことをされるかわからない

そのためには言わないといけないわけだが、こんなこと軽々しく許してくれる人じゃない

真冬

(2人を信用してない訳じゃないんだけど、優と渉さんには何も言ってないから、なるべく頼りたくないし…)

真冬

(…2人には、『頼れる僕』でいたい)

こんなことばっかり言って、段々まわりを頼れなくなっていく

本当は、もっと……

…真冬?

真冬

……はっ?

翔太視点 彼方の部屋

今、僕は彼方さんの部屋にお邪魔している

まふくんが1人で出かけたいって言ってたから、見送ってここに来たはいいものの…

翔太

…彼方さん、まふくんどうしたんでしょうか

彼方

真冬?

翔太

はい、だって家とか着いたら連絡するって言ったっきり、全然連絡きませんし…

翔太

一応昨日の夜に連絡先交換したので、連絡できないことはないと思うんですけど…

プルルル、プルルル……

翔太

…あっ、電話?

翔太

っ、まふくん!

彼方

!!

すると、僕がボタンを押すよりも早く 彼方さんが通話ボタンとスピーカーを押した

するとその途端、2種類の声が聞こえてくる

真冬

『っだから、僕はもう…!』

???

『どうして?何があったの真冬…』

聞こえてきたのは、間違いなくまふくんの声と、もう一つの女の人の声

彼方

……真冬の母親かも

翔太

えっ?

彼方

真冬、どこに行くとか言ってた?

翔太

えっと確か、駅の近くの公園だったような…

彼方

わかった、ありがと翔太

そういうと、彼方さんは玄関に向かって ものすごい速さで外に出ていった

翔太

ちょ、彼方さん待って…!!

翔太

(あんなに必死な彼方さん、初めてみたな…)

翔太

(って、今はそれどころじゃなくて!)

僕は彼方さんの後についていくために、大急ぎで靴を履いて部屋を出た

真冬視点

真冬

(2人とも、電話気づいたかな…)

2人を頼りきっている訳ではないが、僕1人じゃ、どう対応したらいいのか分からなかった

だから、昨日交換したばかりの天ちゃんの連絡先にしたけど…

真冬

(バレないように後ろに隠してるから、通じてるのかもわからない…)

真冬…真冬、聞いてるの?

真冬

っだから、僕はもういつもみたいにたくさん勉強はしたくなくて…

どうして、どうしてそんなこと言うの?

どうして?それはこっちの台詞なのに

真冬はもっと『真面目な子』でしょう?なのにどうして…

それはそっちが勝手にそう思っただけじゃん、どうしても何もないよ

どこから間違えたの…

真冬

……『間違えた』?

なんで、なんで分かってくれないの?

僕が初めて、やりたいことを見つけられたのに、それすら聞いてくれないの?

真冬

っ…!!

真冬

別に、何も間違ったことはしてないし、これが間違いだなんて思う人はいないよ

真冬

どうして親なのに、『俺』が言うことを信じられないの?

段々と、心に黒くてドロドロした何かが降りていく感覚がした

真冬

ねぇ、どうして?

こんな俺の表情は見たことないのか、母は怒りと怯えが混ざったような表情をしていた

真冬

(別にいいよね、今までなんでも我慢してきたんだもん)

今日くらいは、いいよね…

彼方

真冬!!

翔太

まふくんっ!

すると後ろから、彼方さんと天ちゃんが走ってくるのに気づいた

真冬

っ…彼方さ……天ちゃん…

翔太

まふくん!落ち着いて…

真冬

えっ…?俺は……

『俺は落ち着いてる』そう言おうとしたら、急に天ちゃんに頬を軽くつねられた

真冬

っ痛…

翔太

ばかまふくん!顔が怖いし、目が暗いのに、落ち着いてる訳ないでしょっ!!

翔太

大丈夫、僕たちがまふくんのこと支えてるから…

翔太

だからいつもの優しいまふくんに戻って、ね?

真冬

天ちゃん……

その時、僕はふと我に帰った

そうだ、僕は1人じゃない 彼方さんと天ちゃんがいる

真冬

(感情的になりすぎても、お母さんを説得できるかわからないのに…)

真冬

…ありがとう、天ちゃん

翔太

! まふくん…

急に来た2人に驚いて固まっている母に向き直り、正面から話しにいく

真冬

お母さん、僕からお願いがあります

『君と僕の忌避進路』

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コメント

6

ユーザー

2人とも来てくれて良かった、 まふくんのお母さんが『真面目な子』とか『間違った』とか強調していても言い返せたまふくんは凄いよ! まふくんは説得出来るのか?頑張ってくれ〜!! 続き楽しみに待ってます!頑張って下さい!

ユーザー

2度目の母親との対峙…! 親に“自分”を強制されるのは辛いよね…まふくんよく言った!! でも一旦落ち着いて! まふくんは、母親を説得することができるのか… 続き楽しみにしてます!!

ユーザー

あまちゃんそらるさんナイス! まふくんよかった…まふくんひとりじゃないよ 沢山のいいお友達がいる!大丈夫! だから……頑張れ! 続き楽しみにしています!

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