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#しおたろう
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ホテルのシングルベッドに寝転びながら、俺は天井をじっと見つめていた。 地方でのドラマ撮影が始まって、今日で一週間。
佐野勇斗
思わず口から漏れた本音は、狭い部屋の壁にぶつかって虚しく消えた。 今回の役はかなりヘビーで、朝から晩までロケに追われる過酷なスケジュールだ。 役者として声をかけてもらえるのは本当にありがたいし、現場だって楽しい。 だけど、一日の撮影が終わってこうして一人になると、どうしようもない焦燥感が俺を襲ってくる。 いつもなら、東京での仕事が終われば、楽屋でも車内でも当たり前のように仁人の隣を陣取っていた。 「狭い」「重い」って文句を言われながらも、あの細い体をぎゅっと抱きしめて、その高い体温を感じるのが、俺にとって一番のエネルギー補給だったのだ。 それが、今は完全にゼロ。 スマホの画面を開けば、M!LKのグループLINEで太智や舜太が「今日の飯」の写真を送ってきたり、柔太朗がくだらない動画を共有してきたりしている。 そこにはいつも通りの、ツッコミを入れる仁人のメッセージもある。 画面の中の仁人は、俺がいなくても完璧にリーダーをやっていて、いつも通り平気そうな顔をしているように見えた。
佐野勇斗
付き合ってからも、仁人はシャイで、なかなか自分から「会いたい」なんて言ってくれない。 地方に行く前日だって、「仕事なんだから集中しろよ」なんて、頼もしいリーダーの顔をして俺を送り出してくれた。 それが少しだけ寂しくて、俺は「何かあった時のために」と、半分は強引に自宅の合鍵を仁人に握らせて東京を出てきたのだった。
そんなことを考えていると、ポケットの中でスマホが震えた。 15分前に送った「今日の撮影、やっと終わったー!」という俺のメッセージに、仁人から『お疲れ様。今家着いた』と珍しく早い返信が来ている。 その文字を見た瞬間、もう我慢ができなかった。気づけば、メッセージではなくビデオ通話のボタンをタップしていた。 呼び出し音が2回、3回と鳴る。 いつもなら「急にビデオ通話してくんな!」って怒るはずの仁人が、4回目の音で、すっと画面に繋がった。
コメント
1件
うわ、仁人の「お疲れ様」の一言で我慢の糸が切れてビデオ通話しちゃうの、勇斗くんらしくてじわっと来た……。画面越しでもいいから顔が見たくて、しかも仁人がちゃんと出てくれてよかったね。シャイな仁人が「どれだけ待ってた?」って感じで繋いでくれたのかな。離れてるからこそ募る気持ちが丁寧に描かれてて、続きがすごく気になります!