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朝からずっと塔屋にいた陸は
いつの間にか眠ってしまっていて
松田麻衣子
陸を探しに来た麻衣子の声で目覚めた
息を殺して麻衣子が立ち去るのを待つ
松田麻衣子
松田麻衣子
麻衣子は直ぐに梯子の存在に気づき
松田麻衣子
松田麻衣子
松田麻衣子
下から呼び掛けてはみるも
全く反応がなかったため
松田麻衣子
あっさり諦めて校舎内に戻る
わざわざ梯子を上る気にはなれなかったようだ
陸は用心してそれからしばらく塔屋に身を潜めていたが
麻衣子は既に別の場所に陸を探しに行っていた
松崎陸
こんなに長く授業に出なかったのは初めてだった
もう教室に戻る気にはなれず
そのままそこで昼食を取ることに
今朝、母親に投げつけられたお弁当
案の定、蓋を開けると 中はぐちゃぐちゃになっていたが
おかずは一つ一つが母親の手作りで
陸はますます混乱してしまう
陸に対していつも冷たく
口を開けば暴言ばかり
でもこうして手間暇をかけて
ちゃんとしたお弁当を作ってくれる
松崎陸
結局、食べる気になれず
直ぐに蓋をして鞄に入れると
梯子を降りて校舎内へ
麻衣子に見つからないように昇降口へ向かい
そそくさと靴を履き替え
校舎の外に出た
松田麻衣子
教室の窓から麻衣子が叫ぶ
松田麻衣子
松田麻衣子
その声を完全に無視して
駅に向かって走り出した直後
午後の授業の開始5分前を告げる予鈴が鳴り響く
松田麻衣子
松田麻衣子
陸はしばらく走った後
一旦止まって息を整え
普通の速度で歩き始める
松崎陸
気がつくと
陸は常にイルのことを考えるようになっていた
松崎陸
また会いたい
会って話がしてみたい
そんな気持ちが膨らんでいく
駅に着いて階段を上ると
改札を横目に反対の出口へと向かった
普段、全く来ることのない駅の西側
松崎陸
そこから少しずつ
イルの学校へ続く道を歩き出す
普段、見慣れない風景
そんな陸の視線の先に一人の少女の姿が写る
何故かずぶ濡れで長さが疎らなグシャグシャの髪
俯いていてはっきりと顔は見えていなかったが
松崎陸
陸が腕を掴むと
浜松イル
浜松イル
イルが悲しそうに陸を見つめた