ただ、ひたすらに食器類を並べた
…こんなに要らなかったな
そんなことを思いつつ
割れないように梱包していく
ふと、目に入ったグラス
グラデーションに、一目惚れ
それで買ったな…なんて今更ながら思い出した
2つあるうちの、いつも使わない方を手に取った
…そして、床に叩き付けた
いらない
こんなもの、持っていかない
ふと、急に我に返って
やらかした、なんて思った片付けを始めた
素手で触ったせいなのか
ちくっと、刺すような痛みがした
死んだような目で、傷を見つめる
「こんな硝子で、傷つくわけないのに」
コメント
2件
語り手さんも硝子を床に叩きつけて割ったところで苦しい思い出が消えるわけないことは分かっているはずだけど、それでもあの硝子を割らずにはいられなかったんだろうな、って思うと凄く苦しい…… あと、「傷」で「割れた硝子に触れて出来た傷」と「過去の記憶の苦しい傷」の両方を表現してて素敵✨✨