If love is here

あれからしょっぴーの意識がないまま舘さんのマンションに到着した

舘さんのマンションはセキュリティがしっかりしていて、地下の駐車場には関係者以外入れない

駐車場に着くと、岩本くんがしょっぴーを抱き抱えて舘さんの部屋に連れて行った

車の中で岩本くんがメンバーに向けてしょっぴーの状態を説明していた

舘さんに案内されて岩本くんたちは寝室へ

俺とラウールはリビングでソファに座った

1時間前

実際今までも誹謗中傷などはあった

そう話して3人は帰って行った

3人が帰り静かになった部屋で1人呟く

手には照から預かった薬の袋

毎日飲むものと、頓服がある

頓服はなるべく使いたくないな……と思いながらその薬をキッチンに置いた

ーーーーっ、あ……

と、寝室から小さな声が聞こえた

そっと寝室のドアを開けて様子を伺う

そこには苦しそうに胸を押さえている翔太が

その身体に触れようとして、ハッと止まる

『男が触れるのを怖がる』

その言葉を思い出した

目を閉じ涙を流す翔太

出来うる限りの優しい声で声をかける

ゆっくりと翔太の目が開く

目が合うと、更に翔太は涙を流した

穏やかな呼吸で眠りについたのを確認して寝室を出た

2時間後

目を覚ました翔太に声をかけ、ゆっくりとリビングに来た

誘拐されてから目を覚ますまでの約1ヶ月食べれていなかった翔太はかなり痩せていて、最初は全く食事を受け付けなかった

病院ではペースト状のものから徐々に普通の食事に近付けていたと聞いた

それでも量は食べれず少ないため間食と点滴で補っていたようだ

目を覚ました当初よりは頬に厚みが戻ってはきたが、まだ痩せている

翔太もそれが分かっているようで、最近は少しずつ頑張って食べていたらしい

ゆっくりと口に運ぶ翔太を見ながら自分も手を合わせて食べ始めた

翔太の言葉を遮る

翔太は涙を流して頷いた