エマ
━━━━な気がして
アルファ
どういうことだ?
エマ
ただの勘なので気しないでほしいですなの!
アルファ
ですなの…お前敬語使うと語尾が大渋滞してるぞ
エマ
ぐっ…でも癖なんですの
エマ
それに…キャラなくなるですの…
アルファ
お前キャラの塊だぞ?
アルファ
アルファ
ていうか別に敬語なぞ使わなくてもいいが
エマ
え!?
エマ
アルファにはお助けいただいた恩があるますなの…
エマ
…あ
アルファ
お前野生で生きてるから敬語なんて身につかんだろ
エマ
ま、まあ
アルファ
またあるますとか格好の悪い敬語を使うくらいなら別にタメで構わない
エマ
へへ…そっか
アルファ
何を笑ってる
アルファ
…話が逸れたな、しかしそれなら…
アルファ
アレは、様子を見ねばならんな
エマ
うん…
モカ
ニャー
マル
モカ、かわいいです…
レオン
俺に全然懐かないんだけど!!
アルファ
…なるほどな
エマ
…
モカ、と呼ばれた白猫は
とてとてと私とエマの方に歩いてきて━━━━━
モカ
ニャー
と、一言鳴いた
困惑するエマを横目に険しい顔をした私は
アルファ
今日はもう寝よう
…早く脳をリフレッシュしたくなった
エマ
エマ
寝られない…
アルファ様にもお話したけど
モカ…あのコは━━━━
モカ
ニャッ
エマ
ひっ
脳内で思い描いていたものがいきなり目の前に来たとき
人はこんなにもゾッとするのだろうか
エマ
あ…あ…えっと…
こんなとき…
こんなときアルファ様なら…どうしただろう
エマ
(アルファ様なら…)
エマ
お、おいっ
エマ
お前っ…分かる、だろ?
エマ
エマ
返事しろっ!
モカ
ンニャ
エマ
あたし…正体気づいてるんだから!
エマ
モカは、猫じゃないでしょっ!!
そう叫んだ瞬間、パッと辺りが煙に包まれて…
中から、1人の━━━━
モカ?
モカ?
やっぱりあんたは気づいてたよね
エマ
ははははは、はい!
イケメン!!!が!!
モカ?
ん?ああ━━━━
男の子はあたしを見ると
気づいた様にニコッと微笑み
こう言った
モカ?
顔に弱いタイプか
エマ
え?
かと思いきや
モカ?
んーん、何も
エマ
(幻聴…?)
モカ?
ね、エマちゃん
エマ
ふぇ!?
モカ?
驚かせちゃってごめんね
モカ?
俺は猫眷属なんだ
エマ
猫眷属…?
モカ?
うん
モカ?
先祖が猫にわるーいことしちゃって、俺らも猫の一族にされちゃったんだ
そう言って悲しそうに微笑み
ぴょこんと猫耳を見せた
エマ
ふわっ…かわいい…
モカ?
そう?嬉しいな
モカ?
…でも
モカ?
俺のことは、みんなにはまだ内緒にしておいてくれない?
モカ?
2人だけの、秘密
そう言って私を見据える男の子を見て
私は吸い込まれそうで、無意識に
エマ
はいっもちろん…!
そう、言っていた