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これはとある魔女の家系の末裔の 少女の話である。

魔女の家系といっても 箒で空を飛べる訳でもなく 呪文を唱えて超常現象を起こす事もない。

ただ、不思議な効力を持った 魔法の薬が作れる少女のお話であ…

燕 魔保

いやいやいや、これ前回もやった流れ!

燕 魔保

それに前回も言ったけど、前振りが長い!

いや、ほら、初めて読んでくださる方も いるかもしれないから 冒頭ってしっかりしておかないと…。

燕 魔保

ぶっちゃけ単発コメディよね?
今回も!

燕 魔保

なら登場人物の名前がわかってもらえれば十分でしょ!

えぇ…。

燕 魔保

ほら、画面の前のあの人もそう言ってる!

え?そうなんですか?

燕 魔保

いいから早く始めなさいよ!

はぁ…、またこの展開か…。 自分で冒頭ナレーションやればいいのに… それでは、「願い事を叶える薬」始まります…。

燕 魔保

ふっふっふ〜、やっぱり私って天才かも!

ストーブの上で沸騰するヤカンに黒い粉末と紫色の液体を入れ、上機嫌にそれらを混ぜ合わせている。

燕 魔保

えーっと、最後にこれを入れて弱火でコトコト…。

彼女の名前は燕 魔保(ツバクラ マホ) 由緒ある魔女の家系の末裔である。

宗吉

おーい、魔保。

魔保がヤカンで何かを作っている部屋の扉が開き、1匹の犬が魔保に声をかける。

宗吉

そろそろ、俺の散歩のじか…。

彼?の名前は燕 太郎兵衛宗吉 (ツバクラ タロベエムネキチ) 魔保の家に80年以上住む犬である。

宗吉

いや、やっぱり自分で散歩してく…。

魔保がヤカンで何かを作っている光景を目にした宗吉は嫌な予感が的中する前に部屋から去ろうと踵を返そうとした。

燕 魔保

ちょっと待った宗吉さん!!

宗吉

やめろ!!
俺は今から散歩で忙しい!!

燕 魔保

まだ何も言ってないでしょ!

宗吉

いいや、言わなくてもわかる!
また変な薬の実験に付き合えだろ?

宗吉

失敗作のとばっちりを受ける前に俺は散歩に行く!

燕 魔保

何で失敗するの前提なのよ!

宗吉

いつものことだからだろ!

燕 魔保

いやいや、惚れ薬も雲を掴む薬も成功だったでしょ!

宗吉

結果だけはな!
結果に至る過程が毎回散々なものだろ!

燕 魔保

今度は絶対大丈夫!
何かを呼び出したりしないし、みんな幸せになれるはずだから!

宗吉

何だそれは!
怪しげな宗教団体の勧誘みたいだぞ!

燕 魔保

うぅ…、そんな風に、言わなくても…。

燕 魔保

わ、わたしだって…、頑張ってるのに…。

宗吉

あー、もう分かったから泣くな。
ここで見てるだけなら付き合ってやる。

燕 魔保

さすが宗吉さん!
チョロい!(ありがとう!)

宗吉

本音がダダ漏れどころか正面突破してきてるぞ…。

呆れたような声を出し、これから怒ることの様子を見守るため宗吉はその場に座り込んだ。

宗吉

それで、今回はどんな薬だ?

燕 魔保

ふっふっふ、全ての生きとし生けるものが欲するすごい薬だよ!

宗吉

あ、これはまたダメなやつだ…。

燕 魔保

最後まで聞いてよ!

燕 魔保

この薬に名をつけるなら「願い事を叶える薬」!

宗吉

ほう。

燕 魔保

3つ願い事を言ってから飲むとそれが叶う薬だよ!

宗吉

どんな願いでも?

燕 魔保

たぶん!

宗吉

…。

燕 魔保

ちなみにまだ2回分しかできてないから私と宗吉さんの分で終わりだよ!

宗吉

ちょっと待て、俺は見てるだけだと言っただろ!

燕 魔保

そんな訳ないじゃん!

宗吉

…。

燕 魔保

大丈夫、毒気のあるものは入ってないよ。

宗吉

…。

燕 魔保

それに飲んだら願い事が叶うんだよ!

宗吉

ここまで怪しさしかないぞ…。

燕 魔保

もう!私も一緒に飲むからいいでしょ!

宗吉

はぁ…、分かった…。

そして、2人は出来上がったヤカンの中身が冷めるのを待ち。 魔保は自身のコップと宗吉の水飲み皿にヤカンから青白く発光する液体を注いだ。

宗吉

これ絶対に飲んではダメなやつだろ…。

燕 魔保

だ、大丈夫!
味は麦茶風になってるはず…。

宗吉

麦茶は青白く光らんだろ…。

燕 魔保

いいから早くのも!
飲む前に3つの願い事だからね!

宗吉

分かった分かった…。
今すぐ散歩に行きたい。
今夜の晩御飯はステーキがいい。
寝床がふわふわの真新しい布団に変わってほしい。

燕 魔保

え?何その意識低い願い事!

宗吉

怪しい薬なんだから変な願いはしてられないだろ…。

燕 魔保

えー、面白くないな…。

燕 魔保

とりあえず私は…。
世界征服!
宝くじ1等が当たってほしい!
今夜ステーキが食べたい!

宗吉

…。

燕 魔保

いいでしょ!私もお肉食べたいの!

宗吉

いや、そこではない…。
その前二つはどう考えても失敗する願い事フラグだろ…。

燕 魔保

いいから早く薬飲も!

魔保はコップを持ち、宗吉は頭を下げて顔を皿に近づける。

宗吉

(お、これは…、見た目はあれだが確かに麦茶味…。)

宗吉

ふむ、確かに味は悪くなかっ…。

皿に入っていた薬を飲み干し、 味の感想を言いながら顔を上げた宗吉が見たものは…。

宗吉

おい、何で飲んでないんだ…。

燕 魔保

え、いやー…。
やっぱり見た目がキモくて…。

並々と薬の入ったコップを眺める魔保の姿だった…。

燕 魔保

あはは、ごめんね!
それでどうかな!?

宗吉

こいつ…。
まぁ味は悪くなかったが何かが変わった気配はないな。

燕 魔保

あれ?おかしいな?

宗吉

はぁ…、失敗だったな。

燕 魔保

うーん…、結構いい材料使ってらから何の効果もないなんてないと思うんだけど…。

宗吉

まぁとりあえず気分転換に散歩でも行くぞ。

燕 魔保

あ、うん。

宗吉

ふぅ、やっぱり公園までの長距離散歩は気持ちがいいな!

燕 魔保

疲れた…。

宗吉

運動不足だな。
ほら、さっさと自分で散らかした部屋片付けてこい。

燕 魔保

はいはい〜。

散歩中も何の変化も無く薬は失敗だったと言う残念感もあり、あまり気は進まない魔保は渋々部屋の片付けに向かった。

宗吉

さて、俺は…。

燕 魔保

宗吉さ〜ん、部屋の片付け終わった〜。

燕 魔保

って、あれ?
何だろ?いい匂い…。

部屋の片付けを終わらせて居間に戻った魔保は部屋中に漂う匂いに気付いて鼻をヒクヒクさせた。

燕 魔保

宗吉さん?

匂いの元はキッチンの方なので宗吉を探すついでに匂いを追う。

宗吉

〜♪

燕 魔保

…。

そして、キッチンについた魔保が見たものは、鼻歌を歌いながらフライパンの柄を咥えて器用にステーキを焼く宗吉の姿だった。

燕 魔保

宗吉さん…?

宗吉

おぉ!魔保!
今夜はステーキだぞ!

フライパンを大きく振ってステーキを机の上に並べられた皿の上に見事に着地させて宗吉が声をかける。

燕 魔保

え?ちょっと待って、色々情報が多過ぎて意味がわからない。

宗吉

何を言ってるんだ?
ほら、冷めてしまう前に食べるぞ!

燕 魔保

え?あ、うん…。
このお肉どうしたの?

宗吉

ん?あぁ、商店街の肉屋に電話して持ってきてもらったんだ。
俺が買い物に行くわけにもいかんからな。

燕 魔保

そ、そうなんだ…。

宗吉は人語が話せる犬なのでありえない話でないと思い魔保はステーキを食べ始める。

しかし、ふと目線を居間の隅へとやると…。

燕 魔保

む、宗吉さん…。
あれ何?

魔保の視線の先にあったのは真新しい布と大量の綿だった。

宗吉

ん?あー、それはな俺の寝床にしてる布団を新しくしようと思ってな!

燕 魔保

自分で作るの…?

宗吉

ん?そのつもりだが?

燕 魔保

…。

燕 魔保

あ!

宗吉

ん?どうした?

燕 魔保

あ、いや何でもないよ!

度重なる宗吉の奇行に魔保は一つの事を思い付く。

薬は失敗では無かった…。 ただ、少し意味が違っていた。

燕 魔保

やっぱり私は天才だー!
まぁ少し思ってたのと違うけど…。

宗吉

何だ急に…。

燕 魔保

何でもない!

その後、宗吉が前足で布団を自作しようとして失敗した居間が綿だらけになら魔保が激怒し最終的に魔保が作る事になったのはまた別のお話。

「願いを(自分で)叶える薬」 完

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コメント

30

ユーザー

ちなみにオチの匂わせポイントをいくつか設けてあります(*´∇`*) いくつあるでしょうか?(*´꒳`*)

ユーザー

あ、神様がここにいらっしゃいます…!

ユーザー

天才だぁ… お金が欲しいなお願いするなら←守銭奴かな

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