由美
ままーぁ、ぱぱーぁ!
由美
どこぉ‥
謎の者達
カワイソウ‥カワイソウ‥カワイソウ‥
謎の者達
ニンゲン‥
由美
ぅぅ‥
萌
まいご?
由美
‥え?
話し掛けた女の子は私より幼かった
萌
まだ、おねーちゃんは"ここ"にいるべきじゃない
萌
かえろ?
由美
‥うん‥
手を繋ぎ、暗い道に入る
萌
そろそろだよ、おねーちゃんがいる所に戻る!
由美
うん‥そういえば‥お名前は?
萌
‥萌
由美
‥萌?
萌
うん、ほら、ついた
気付けば森の終わりに来ていた
向こうは花が一面に咲いている
萌
いってらっしゃい、
そう言い、萌は私の背中を押す
由美
‥!萌も一緒に
萌はそっと優しい笑みを浮かべた
そして、私は意識を手放した
由美
ん‥?
お母さん
由美!由美!あぁ‥良かった!
気づけば私は病室のベッドで寝かされていた
お父さん
由美!心配したんだぞ!体調は大丈夫か?!
傍にはママとパパがいて泣いて喜んでいた
由美
うん‥大丈夫。
お母さん
あぁ‥本当に良かった‥本当に‥
私のベッドの隣には眠っている幼い女の子がいた
その日、私はあるお墓の前に立っていた。
由美
萌‥花、持って来たよ。
勿論、返事が帰って来ることはない
あの日、私は妹の萌と散歩していた
そこに大型トラックが通り、私達をはねた。
萌は即死だったらしい。
もし、あの時の不思議な場所が死後の世界で
あの時助けてくれたのが萌だったら‥
萌だったら‥
由美
萌‥ずっとずっと
由美
大好きだよ。
優しい風が私の体をそっと撫でた