あの日の昼休み、 廊下でティアを見つけたっけ。
ティアは、 酷く陰鬱な表情をしていた。
たしか、いじめられた後、 だと思う。
涙
栞
───変な名前。
その時はそう思いながらすれ違った。
そっか、私も、
関係ない人じゃなかったのか。
同じ、友達だったんだ……。
ぎゃははは、と笑い声が巻き起こる。
ヘッドホンを耳に当て目を閉じていた私は、何事かと顔を上げる。
涙
ティアが顔を赤くして立ち上がる。
どうやら足を引っ掛けられたらしい。
そんな事があったのも、
今のシャークんさんの話を聞いて、
改めて思い起こされたのだ…。
きんとき
栞
栞
きんとき
栞
きんとき
栞
きんとき
栞
きんとき
きんとき
きんとき
栞
きんとき
栞
きんとき
栞
きんとき
栞
きんとき
きんとき
きんとき
栞
栞
栞
栞
栞
栞
栞
栞
きんとき
栞
きんとき
きんとき
栞
きんとき
きんとき
きんとき
栞
飽きたんだ。
くだらない夢物語、
大掛かりな設計のRPGも。
主人公がたくさんの仲間に 囲まれている戦闘漫画も、
恋に溢れた少女漫画も 、
綺麗な友情の話も、
努力の大切さの話も、
全部、
全部。
だから、……だから。
栞
栞
栞
栞
きんとき
きんとき
栞
そう。
まさかそんな本を提示されるとは思わなかっただろう。
最初から、私は困らせるつもりだった。
栞
栞
きんとき
栞
ある………の?
きんとき
きんとき
きんときさんは、 呟きながら本棚に手を伸ばす。
きんとき
きんとき
栞
きんとき
栞
栞
きんとき
きんとき
栞
きんとき
栞
手もとに視線を落としながら、 きんときさんがその本を差し出す。
『染色』
栞
きんとき
きんとき
栞
近くのテーブルに座りかけて、気付く。
栞
きんとき
栞
栞
きんとき
きんとき
きんとき
栞
ふと時計に目を向けると、
さっき図書室に来た時と 全く同じ時間だった。
栞
改めて席に座り、 まだ開いていない本を眺める。
……表紙にいる女の子。
??
栞
担任が『恩師』と言っていた人に、
とても良く似ていた。
栞
私は、本を開いた───。
15歳。なんの取り柄もない女の子。
期待もされず、
落胆もされてない。
輝かしい過去もなければ、
息を飲むような残酷な過去もない。
希望に満ち溢れた未来もなければ、
孤独で悲しい運命もない。
大切な人
大切なもの
特技、趣味、部活
何も無い。
灰色の自分なんてつまらない。
そう嘆き、飛び降りる主人公。
色に染まることを願い、
飛び降りる。
結果、彼女は生き長らえてしまった。
望まない命。
しかし、そこで6人の不思議な人々との出会いがあった。
色とりどりの出会い。
地道に、確実に変わっていく。
しかし、彼女は彼らの色に 染まることは無かった。
最後は、自分の色を見つけ、
また以前のような生活に 復帰したのだ───。
本から顔を上げると、
反対側の本棚に、
─────
栞
涙
ティアが居た。
栞
栞
きんとき
栞
栞
栞
栞
栞
きんとき
栞
きんとき
栞
きんとき
栞
栞
バタン、と音を立ててきんときさんは扉から出ていった。
栞
本棚に向き合うティアに、 話しかけようか迷っていると…
涙
栞
……先にティアが話しかけてきた。
栞
涙
緊張した面持ちで震えている。
涙
栞
涙
涙
涙
涙
涙
涙
涙
栞
…それしか知らない。
……To be continued
コメント
6件
2人共似たような本を求めるなんて.....息が合うんですかね?
面白いです🧸 関係ないですがフォロワー500人おめでとうございます🎊