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続きめちゃくちゃ気になる!
続き めっちゃ気になる!
咲羅
はあはあと肩を上下に揺らして息を整える。
風邪、ってなに
雅紀
ズルズルって鼻をすする。
たしかに、風邪だけど…
咲羅
雅紀
咲羅
雅紀
ってコホコホ咳をしながら言う。
咲羅
雅紀
咲羅
…それに
咲羅
そうだよ、雅紀は彼女がいるじゃん
こんな時こそ彼女にそばにいてもらわないと
1番安心できるし幸せでしょ?
雅紀
咲羅
雅紀
上目遣いで言われたら
熱で潤ったその目に言われたら
咲羅
まだあなたのことを諦めきれていない私には断れない
私も隣にいたい、って思っちゃう
雅紀はずるい人だ
こう言う時に幼馴染だからなんでも許してくれるって
幼馴染って立場を利用して
私の気持ちなんてなにも知らないくせに
雅紀
咲羅
雅紀
咲羅
甘えたな声でだだをこねるけど
早く治ってほしいから
早く私のこの苦しい気持ちから解放してほしい
引きずるようにして雅紀を寝室へ連れて行った。
余程しんどいのに無理していたのか、ベッドに入るとすぐに眠ってしまった。
スースー寝息をたてて眠っている。
弱っている雅紀を見て守ってあげたいって
やっぱり好きだなあって
結局私は今でも諦められてない。
リビングに戻ってできるだけ小さい音量でテレビを見る。
さっき雅紀が寝転がっていたソファに座るとほんのり暖かかった。
この温もりが恋しい
この雅紀の温もりがほしい
だけどかなわないんだ
勝手にまた苦しくなる。
テレビの横には写真たてが3つ飾っていて
幼稚園児の頃の私たちの写真
成人式のときの私たちの写真
前に雅紀の家で焼肉したときのサンコイチの写真
だった。
どれ見ても私がいるのに
他の女の人の影なんて全く見えないのに
咲羅
どうして私は1番じゃないんだろう
なんで1番になれないんだろうって
テレビを見たら自然と写真が目に入って悲しくなるから
また胸が締め付けられる。
私はソファにコテンて横になって顔を埋めた。
咲羅
テレビの音で目がさめる。
体には暖かい毛布がかけられていた。
雅紀
ソファにもたれかかってテレビを見ていた雅紀。
冷えピタ貼って、まだ顔もほんのり赤い。
咲羅
雅紀
咲羅
雅紀
え…
私4時間も寝てたの?!
咲羅
飛び起きてコートをとろうと立ち上がる。
咲羅
立ち上がったときに足が動かないなと思ったら
私の足にコアラみたいにしがみついて上目遣いで私を見つめる雅紀。
帰らないでって目をしてる
もう…
咲羅
帰らないって言うと目をきゅっと細めて笑う。
ああ、私ってなんでこんなにちょろいの。
雅紀
咲羅
雅紀
咲羅
ゴタゴタ言ってたけど一応雅紀病人だし
しぶしぶ卵をかけた雑炊ちっくなおかゆを作ってあげた。
雅紀
咲羅
テーブルに向かい合って座る。
木のスプーンで一口すくってふうふうしながらおいしいって食べてくれた。
うれしい
料理を振る舞うってこんなにうれしいものなんだ
雅紀
咲羅
雅紀
咲羅
本当にそうなったらいいのに
なんて思っているのは私だけ。
お腹がいっぱいになって眠たくなったのかふわあってあくびをして目に涙をためる。
咲羅
雅紀
日が変わるか間際の時間
ヨロヨロした足取りで立ち上がって寝室へ向かう。
咲羅
私はテーブルの上にある、雅紀の食べ終わったらお皿を片付けながら雅紀を見送る。
そしたら雅紀がこちらに戻ってきて
雅紀
眠たいのか、目をこすりながらとろんとした目で見られる。
胸がきゅんと高鳴った。
そんな私には断る理由なんてなくて
片付けかけていたお皿をそのままにして雅紀の寝室へ行った。
ボフンとベッドに横になった雅紀。
横を向いて寝転んでいて
私は床に座って雅紀と同じくらいの目線になる。
サラリと前髪が目にかかっていてなんだか、色っぽい。
咲羅
リモコンでピッて電気を消した。
何分たったかなんてわからない。
真っ暗だか時間が止まってるみたい。
雅紀、寝たかな?
そろそろ戻って片付けようかな
なんて考えていたら
雅紀
咲羅
雅紀が急に話し始めた。
雅紀
急すぎて驚いたけど今は雅紀の顔が見えてないからバレてないはず
あなたですってあわあわしてるなんて気づいてないはず。
咲羅
雅紀
咲羅
雅紀に言ったみたいで少し恥ずかしくなる。
だけど暗闇でよかった。
雅紀には見えてないもんね
雅紀
咲羅
そっか~って言いながら黙り込んだ雅紀。
雅紀が動いて布団がすれる音が聞こえる。
咲羅
雅紀
咲羅
雅紀
咲羅
聞いて少し苦しくなる
私にないものを持ってる人な感じがして
雅紀の彼女になるには私は遠すぎた気がした
雅紀
咲羅
雅紀
咲羅
よっぽど見せたくなかったのかな
なんかあまり彼女の話はしないでくれって感じだ。
黙り込んでしまった雅紀から少し経ってから聞こえてきた寝息。
咲羅
ささやくように呟いてそっと寝室から出た。