溺れる

君は僕を好きじゃない

分かっていても、期待しちゃうのは

君のことが好きだから

未だに、僕と一緒に

ご飯も食べてくれないし

目を合わせることすら

叶わない。

君に出会ってから

僕の世界は、 君一色に染まってしまった

僕を避けてしまう君だけど

気まぐれな君だけど

そのあざとい仕草も、

僕を弄ぶ性格の悪さも、

可愛すぎる声も、

・ ・ ・

好きなんだよ、全部

僕と君は

まだ出会ったばかりだし

仕方ないのかもしれないけど…

それでも、僕は

絶対に諦めないよ

君が

どんなに目を逸らしても

どんなに僕を避けても

どんなに僕を嫌いでも

君のことが、大好きだ

いつかきっと、

落としてみせるから

なんて、考えちゃう時点で

僕は既に、

君に翻弄されている

君を落とそうと

必死にもがいたって

君の手の中で転がされるだけ。

脳内を巡る思考回路も

きっと君に読まれてる

僕は所詮、籠の中の鳥なんだ

そうして、

僕は

君に溺れていく

…はぁ……

どうすれば、君を落とせるんだ…

スマホを手に取り、

検索履歴を見つめる

【警戒心　解くには】

【美味しいご飯　作り方】

つれづれなるままに

日暮らし、スマホに向かひて

心に移りゆく　あなたのことを

そこはかとなく　検索すれば

あやしうこそ　いとほしけれ

僕

なんてことを考えたりして、

馬鹿馬鹿しくなって＿＿

溜め息をつく

妙に足元があったかい

それに、なんだか もふもふしているような＿＿＿

あなたを信じても、 いいですか？

君の声が聞こえた気がした

あぁ、愛おしい

可愛すぎる…

天使のようだ……

潤んだ瞳に見つめられ、

そっと手を伸ばす

震える手で、

君を優しく抱きしめた