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蒼也
蒼也
ため息まじりにポケットから朝ご飯のおにぎりを取り出す おにぎりは、"おかか"だ
開けながら、コンビニの前で"待っていた"
みな
蒼也
蒼也
みな
みな
蒼也
蒼也
みな
蒼也
蒼也
みな
蒼也
蒼也
蒼也
みな
そう言いながら、おにぎりを口にしてRINEを開いた 全てはここから始まった
メグミ
メグミ
ソウ
ソウ
メグミ
メグミ
メグミ
ソウ
ソウ
ソウ
ソウ
メグミ
メグミ
メグミ
メグミ
ソウ
ソウ
ソウ
会話内容を見返して、ため息をこぼす
蒼也
蒼也
みな
みな
みな
蒼也
蒼也
みな
蒼也
みな
蒼也
みな
蒼也
蒼也
蒼也
蒼也
みな
みな
みな
蒼也
すると、遠くから、歩いてくるメガネの女性がいた。 吉川さんだ いつもと雰囲気が違って、その気なのがより伝わってきた。
俺は別に吉川さんと付き合いたくないわけではない。 見た目でも、みなのように美人ではないが素朴な魅力は感じる
しかし、どうしても好きという気持ちは湧いてこない。 そもそも性格が合わない気がした 後ろめたい
ヨシカワ
蒼也
蒼也
みな
そう言って、冷やかす みな を横目に 元はと言えばお前のせいだろう、と思ったが逆恨みだった。 吉川さんは「はい」と返事をして、俺の後ろをついてくる。 しっかりと伝えなきゃいけない
ヨシカワ
蒼也
蒼也
蒼也
蒼也
ヨシカワ
ヨシカワ
蒼也
みな
デート先、水族館に入って4時間が経過 昼ごはんも済ませて、一通り見終えたところだ。
つまるところ言うべきことを言いそびれたという状況 どうしたものか
ヨシカワ
蒼也
ヨシカワ
蒼也
吉川さんが去っていく。 トイレに向かう吉川さんの後ろを追う 彼女は俺といて楽しいのだろうか
みな
蒼也
みな
蒼也
蒼也
みな
蒼也
蒼也
みな
蒼也
腹を括る そのタイミングを見計らったように、吉川さんが出てきた
ヨシカワ
蒼也
蒼也
出来る限り、普通の声を意識して、名前を読んだ
トイレ付近は人がおらず、シンと静まり返っていた 状況はこの上なく整っていた
ヨシカワ
蒼也
蒼也
蒼也
吉川さんが少し身構えたような気がした
蒼也
蒼也
蒼也
ヨシカワ
ヨシカワ
蒼也
ヨシカワ
俺の表情を頼りに、吉川さんは、状況を理解したようだった
顔を真っ赤にしながら、苦い顔をしている
ヨシカワ
ヨシカワ
ヨシカワ
吉川さんは1人でに、喋り続けた 彼女が自分で事態を飲み込むのを、俺は黙って待っている ずるいよな、と思った
ヨシカワ
吉川さんは、踵を返し、出口へと足早に向かっていく
吉川さんは、泣いていた
蒼也
みな
ヨシカワ
無意識に体が動いた 気づけば、吉川さんの腕を掴んでいた
蒼也
みな
ヨシカワ
みな
声が重なって聞こえた。 うるさい、うるさい
蒼也
ヨシカワ
蒼也
蒼也
蒼也
蒼也
蒼也
ヨシカワ
蒼也
蒼也
そう言って、吉川さんの腕を離す 頭を下げて、右手を前に伸ばした。
ヨシカワ
ヨシカワ
蒼也
ヨシカワ
ヨシカワ
そう、吐き捨てた彼女に、それでも、頭を下げて、片手を差し出す。
ヨシカワ
しばらく経ってから、手を握る感触が伝わってきた。
ヨシカワ
ヨシカワ
ヨシカワ
ヨシカワ
蒼也
みな
こうして、別れることはなく、一緒に水族館を出ることになった
まだ彼女のことは好きではない
止めた理由も涙を見てのことだった 僕は涙に弱いのだろうか
彼女を好きになることはまだできない でも好きになるためにできることならあった
蒼也
ヨシカワ
出口へ向かう道すがら尋ねた
蒼也
ヨシカワ
蒼也
蒼也
ヨシカワ
蒼也
ヨシカワ
ヨシカワ
蒼也
蒼也
めぐむ
"ちゃん"付けと呼び捨ての違いがわからなかったが、そこは僕もどちらでも良かった
蒼也
めぐむ
蒼也
めぐむ
めぐむ
蒼也
めぐむ
めぐむ
めぐむ
めぐむ
めぐむ
それなりに苦戦していたが、受け入れてくれてよかったと思った
これで何か変わるわけではない 一つずつ変えていかないといけない
ちょっとずつ、ちょっとずつだ
めぐむちゃんと帰路を分かってからは、みなと2人きりになった
家に帰るまで、みなとしゃべることはなかった、部屋のベッドに座ったところで、口を開いた
蒼也
みな
蒼也
みな
みな
蒼也
蒼也
蒼也
みな
みなはすんなりと受け入れ、やけに当たり障りのない返事をした
蒼也
めぐむ
2回目のデートの帰り道だった、前回は水族館だったからという理由で、なぜか動物園になり園内を回ったが、2時間もしないうちに帰り、まだ昼過ぎだった
蒼也
めぐむ
めぐむ
めぐむちゃんは、今日の1日で、タメ口にも慣れてきた、まだたまに敬語は出てくるが
めぐむ
めぐむ
蒼也
めぐむ
立場が低くなると、敬語になるようだった
めぐむ
蒼也
2回目のデートが終わる まだ、彼女を好きになることはない
しばらく歩いて振り返ると、めぐむちゃんもこちらのことを見ていた。
掌に収まりそうなほど小さくなった、彼女はこちらに手を振った 僕も手を振り返す
少し笑ってから背を向けた彼女の姿を見送る なぜだろう、なんだか 違和感がある
蒼也
家に帰ってきた
蒼也
やけに疲れた気がして、ベットに座る すでにベットにはみなが寝転んでいた
みな
蒼也
みな
蒼也
蒼也
蒼也
みな
蒼也
みなの不調をこの時はあまり気にしていなかった
しかし、この日から、彼女はほとんど、喋らないようになった。 抜け殻のようだった
そうして思い出した みなが妄想なんだということを めぐむちゃんという、現実が現れて、みなの存在が薄くなってるのかもなと思った
すこし寂しかったが 良い兆しなんだと思う
見えないものが見えるなんて 普通じゃないものな
蒼也
みな
毎日、話しかけているが、それと言った反応はない そんなふうに2週間が経つ
めぐむちゃんとの関係は続き ついでにブログも好調だった こうやって現実が良くなっていくたびに、みなの存在が薄れていくのがわかった そんな時だった、めぐむちゃんが突然電話をかけてきたのは
めぐむ
妙に神妙な様子だった 何か伝えたいことがある、そんな声だった 僕はすぐに家を出た
蒼也
めぐむ
めぐむ
めぐむ
めぐむちゃんは、僕のことをソウヤくんと呼ぶようになった
コーヒーを両手にキッチンから出てきた
めぐむ
蒼也
ヨシカワ
本当は好きでも嫌いでもない なんだか最近、味覚が薄くて、嫌いなものも好きなものもよく分からなかった
めぐむちゃんは妙に表情が強張っていた。 その表情のまま、コーヒーを僕の前に置くと、隣に座った そういえば、自分の彼女なんだった、と思い出した
めぐむ
めぐむ
めぐむ
蒼也
めぐむ
めぐむ
蒼也
めぐむ
蒼也
めぐむ
めぐむ
めぐむ
めぐむ
めぐむ
蒼也
めぐむ
普通の男性なら怒るのだろう と思った
蒼也
蒼也
めぐむ
めぐむ
めぐむ
めぐむ
めぐむ
めぐむ
めぐむ
蒼也
蒼也
めぐむ
蒼也
めぐむ
めぐむ
めぐむ
めぐむ
めぐむ
めぐむ
彼女の手は震えていた そこまで、怯えなくても良い なぜなら僕の方こそ、ずっと茶番なのだから・・
蒼也
どうしたらいいのか分からなくて、とりあえず彼女の震える手を握った
ヨシカワ
めぐむ
めぐむ
めぐむ
彼女は独り言を呟いた そこには目一杯の悔しさが込められていた
彼女の頬に一粒の涙が伝った
めぐむ
蒼也
蒼也
気づかないうちに体が動いていた。 彼女の頬に口をつけていた いや、流れる涙を、飲んでいた
めぐむ
めぐむ
めぐむ
めぐむ
めぐむ
めぐむ
蒼也
そう答えると、いつのまにか目を瞑っていた
数秒の後、唇に柔らかな感触が伝わった うごめいて、互いに感覚を確かめる あくまでも不器用でぎこちのなくて、硬い口付けだった だけれど彼女の流す涙が目に入ると、それが美しくて、尊くて、心地よかった もっと泣いてほしい
めぐむ
互いに顔を離し、しばらく見つめると、彼女はそれだけ言って、涙を拭いた 涙を拭いたハンカチがテーブルに置かれるそれに、目を奪われた。 持って帰ってもいいかなとは流石に言えなかった。 なんだろう、この気持ちは
こうしてめぐむちゃんと、恋人として向き合うことになった さっきのキスで、彼女に恋心が芽生えたのかはわからない。 僕はあまり変わらなかった
でも、愛おしくなった 彼女の涙が 今はそれでいいのだと思った 彼女の涙に恋をしている
蒼也
めぐむ
めぐむ
蒼也
蒼也
めぐむ
そう言うと玄関まで向かう めぐむちゃんも後ろをついてきた するとーーー
蒼也
向かってる途中、突然、頭痛がした 鈍器で殴られたかのような激痛だった
蒼也
めぐむ
蒼也
頭痛は一瞬のことで、既に一切の痛みが消えていた。 再度、玄関に向かい、靴を履いた
蒼也
蒼也
めぐむ
蒼也
めぐむ
蒼也
呼び間違いに焦ったが それ以上に重大で深刻事実が脳裏を過った気がした
恋心、涙、頭痛、無言、みな・・ 一つ一つの脈絡のない出来事が、繋がってなにか一つの真実が見えて来る なにか、まずいことになっている
蒼也
蒼也
ヨシカワ
蒼也
蒼也
めぐむ
めぐむ
めぐむ
ないのか、と思ったが 考えれてみれば僕もよくわからなかった
めぐむ
蒼也
めぐむ
蒼也
めぐむ
蒼也
めぐむ
めぐむ
めぐむちゃんの家を出ると、僕はすぐに走った。
ガチャ!
蒼也
みなの姿はなかった、漠然とした不安が確信に変わっていく
僕は軽視していた みなが消えていくということを
それが何を意味するのか
彼女はただの妄想ではない
蒼也
消えたわけじゃない、なんとなくわかった この世界のどこかにまだいる
蒼也
蒼也
みな はただの妄想ではない、もう1人の僕だ。 僕の心そのものだ
僕は無意識の中で恥ずかしがっていた みなの存在を
無意識の中で拒み続けた、忘れようとしていた
僕はここ最近ずっと みなの名前を呼んだことすらなかった
毎日みなの存在は少しずつ消えていた
僕の心が
消えていく
蒼也
走って家を飛び出した
昼間の公園は閑散としてて、誰もいなかった 今日は平日だ
公園を走り回って、赤いワンピースを探す
でも、見つけたところで、なんて話しかければ良いのだろうか
そう考えてるうちに、その姿を見つけた
蒼也
みな
みなは公園の隅のベンチに座っていた
みな
蒼也
みな
みな
蒼也
蒼也
蒼也
蒼也
蒼也
蒼也
蒼也
蒼也
蒼也
みな
みな
みな
みな
みな
みな
蒼也
みな
みな
蒼也
みな
みな
蒼也
蒼也
蒼也
みな
みな
蒼也
みな
みな
みな
みな
みな
みな
激情が溢れ出す みなは見たことのないような大量の大粒の涙を流した ボタボタと地面に落ちていく
蒼也
蒼也
みな
みな
みな
みな
みな
あれ
あれから何日が経った
あれからみなが消えて、何回も何回も公園に来た
何日経ったのかはわからなかった
何をどう感じればいいのか、一切分からなくなって みなと最後に会ったベンチで、ひとり過ごす毎日
電話や通知が何度も鳴った
それでもなにもせずに、ただベンチに座って、空を眺めて、味のしないおにぎりを食べていた
今日のおにぎりはツナマヨだった
お前はいないほうがいい
もう手遅れだよ
頭が痛い 頭ががいたいい
何もできない
めぐむ
何も救えない
めぐむ
生きてる価値がない
めぐむ
突然の声に驚いて顔をあげる
目の前には、心配そうに、顔を覗き込むめぐむちゃんの姿があった
蒼也
蒼也
めぐむ