朝。
蘇枋隼飛、登校中のことである。
蘇枋 隼飛
朝早いらしいからなぁ…
蘇枋 隼飛
ちょっと新鮮かも
突然のことだった。
蘇枋 隼飛
桐生 三輝
曲がり角から歩きスマホ常習犯の 桐生三輝が現れた。
ドン!!
二人は勢いよくぶつかった。
蘇枋 隼飛?(in桐生)
すおちゃん…
桐生 三輝?(in蘇枋)
こと、実際に起こるん
だね…桐生君、そろそろ
歩きスマホやめようよ…
桐生 三輝?(in蘇枋)
蘇枋 隼飛?(in桐生)
二人は入れ替わっていた。
桐生 三輝?(in蘇枋)
桐生 三輝?(in蘇枋)
蘇枋 隼飛?(in桐生)
なくない!?
桐生 三輝?(in蘇枋)
思いついたんだけど…
蘇枋 隼飛?(in桐生)
すおちゃん??
桐生 三輝?(in蘇枋)
入れ替わってたら
桐生 三輝?(in蘇枋)
気づくと思う?
蘇枋 隼飛?(in桐生)
桐生 三輝?(in蘇枋)
柘浦君は分からないと
思うんだ〜笑
でもにれ君は鋭いから
騙せないかも…?
蘇枋 隼飛?(in桐生)
桐生 三輝?(in蘇枋)
騙してみようよ!
って話だよ?
蘇枋 隼飛?(in桐生)
蘇枋 隼飛?(in桐生)
蘇枋 隼飛?(in桐生)
二人は大変 気の合うコンビであった。
ガララッ
桐生 三輝?(in蘇枋)
楡井 秋彦
桐生さん!!
蘇枋さんよりも早く
登校するなんて…
珍しいですね…
「同時に来ると怪しいから」という 蘇枋の考えにより、先に蘇枋が 教室に入り、その後桐生が入る、 といったプランが完成した。
二人は策士である。
桐生 三輝?(in蘇枋)
桐生 三輝?(in蘇枋)
桜ちゃん!
桜 遥
桐生 三輝?(in蘇枋)
朝ごはんなに〜?
桜 遥
桜 遥
たまごサンド…
桐生 三輝?(in蘇枋)
桐生 三輝?(in蘇枋)
作ろうとして、
失敗しちゃった
もんね〜?
桜 遥
桐生 三輝?(in蘇枋)
作ろうとしたら、パン
焦がしちゃったったん
だよね〜笑
桜 遥
なんで知ってんだ!?
桐生 三輝?(in蘇枋)
ドンマイ、桜ちゃん♪
桜 遥
桐生 三輝?(in蘇枋)
蘇枋 隼飛?(in桐生)
絶対桜ちゃんで
遊んでるよ…)
蘇枋 隼飛?(in桐生)
オレがあーゆーふうに
見えてるってこと…?)
蘇枋 隼飛?(in桐生)
してたかな…笑)
蘇枋 隼飛?(in桐生)
教室のドアの前、 一人反省する桐生であった。
蘇枋 隼飛?(in桐生)
蘇枋 隼飛?(in桐生)
教室入ってたっけ…?)
ガララッ
蘇枋 隼飛?(in桐生)
楡井 秋彦
蘇枋さん!
楡井 秋彦
今日はいつもより
遅かったですね
蘇枋 隼飛?(in桐生)
蘇枋 隼飛?(in桐生)
すおちゃんこういう時
どう言うんだろ…!?)
蘇枋 隼飛?(in桐生)
楡井 秋彦
蘇枋 隼飛?(in桐生)
このピアスに封じてる
古代中国の精霊たちが
なかなか大人しくして
くれなくてね
楡井 秋彦
楡井 秋彦
蘇枋 隼飛?(in桐生)
蘇枋 隼飛?(in桐生)
ほら吹きが今、初めて
役に立ったよ!多分!)
困ったらテキトーなほら吹いとこ、 そう思う桐生であった。
桐生 三輝?(in蘇枋)
蘇枋 隼飛?(in桐生)
桐生 三輝?(in蘇枋)
ひどいな〜今日の
すおちゃん♪
蘇枋 隼飛?(in桐生)
蘇枋 隼飛?(in桐生)
遊ぶ気だ…!)
蘇枋 隼飛?(in桐生)
桐生…君
桜 遥
蘇枋 隼飛?(in桐生)
反射的に返事をしてしまう。 後悔しても遅かった。
桐生 三輝?(in蘇枋)
桜 遥
ってか、なんでお前が
返事するんだよ、蘇枋
蘇枋 隼飛?(in桐生)
蘇枋 隼飛?(in桐生)
どうごまかそ…)
蘇枋 隼飛?(in桐生)
柘浦 大河
蘇枋君やないか!!
救世主が現れた。
柘浦 大河
おもろいことになって
そうやな!!
柘浦 大河
柘浦 大河
プロレスの試合が
ほんま激アツやった
んけどな一一一
楡井 秋彦
ですか…?
蘇枋 隼飛?(in桐生)
ありがと…!)
杉下 京太郎
蘇枋 隼飛?(in桐生)
突然背後から聞こえた ドスのきいた声に、 桐生は思わず飛び上がる。
杉下 京太郎
蘇枋 隼飛?(in桐生)
杉…下君…
杉下 京太郎
蘇枋 隼飛?(in桐生)
びっくりした…)
楡井 秋彦
蘇枋 隼飛?(in桐生)
楡井 秋彦
びっくりしましたか…?
蘇枋 隼飛?(in桐生)
桐生 三輝?(in蘇枋)
聞いてなかっでしょ〜
蘇枋 隼飛?(in桐生)
桐生 三輝?(in蘇枋)
行こうって話だよ?
蘇枋 隼飛?(in桐生)
ねぇ、聞いてないってすおちゃん… 一枚上手の策士においていかれる 桐生であった。
放課後。
蘇枋 隼飛?(in桐生)
桐生にとって、今日という一日は とてもとても長いものであった。
桜には時折首を傾げられ、 楡井には鋭い指摘をされ、 杉下には何度も驚かされた。
その都度、柘浦の突拍子もない 発言に救われたのは、 桐生にとって想定外だったが。
そして何より…
蘇枋 隼飛?(in桐生)
いじわる…
容赦なく試練を与えてくる 蘇枋に頭を抱えた一日だった。
蘇枋 隼飛?(in桐生)
遊ぶじゃんか…
蘇枋 隼飛?(in桐生)
桜 遥
蘇枋 隼飛?(in桐生)
蘇枋 隼飛?(in桐生)
桜 遥
またもや首を傾げられた。
柘浦 大河
一緒に来るんか?
来ないんか?
ふと顔を上げてみれば、 クラスメイトが勢ぞろいだった。
楡井 秋彦
何だか今日の蘇枋さん
変、ですよね…?
楡井 秋彦
悪いんですか…?
柘浦 大河
柘浦 大河
熱はあるんか!?
蘇枋 隼飛?(in桐生)
ちょっと…
桐生 三輝?(in蘇枋)
いつも元気でしょ?
蘇枋 隼飛?(in桐生)
桐生 三輝?(in蘇枋)
ポトス行こうよ♪
蘇枋が不敵な笑みを浮かべる。
蘇枋 隼飛?(in桐生)
顔に書いてあるよ…!)
蘇枋 隼飛?(in桐生)
蘇枋 隼飛?(in桐生)
だからあああああ!!
一刻も早くこの場から逃げたい! その一心で桐生は走った。
楡井 秋彦
行っちゃいましたね…
楡井 秋彦
ことはいつものこと
なんですけど…
柘浦 大河
熱があったんや…
楡井 秋彦
桜 遥
よな、アイツ…
桐生 三輝?(in蘇枋)
桐生君の面白い反応
見たかったんだけど)
桜 遥
お前も変だぞ
桐生 三輝?(in蘇枋)
桐生 三輝?(in蘇枋)
なんだけど一一一
楡井 秋彦
桐生さんも何か
ありましたか?
桐生 三輝?(in蘇枋)
桐生 三輝?(in蘇枋)
楡井 秋彦
桜 遥
スマホ触ってるとこ
見てねーぞ
桐生 三輝?(in蘇枋)
蘇枋は人前でスマホを触らないが 桐生は正反対だ。
桐生はスマホが体の一部といっても 過言ではない。
そんな彼が一日スマホを 触らない、ということは あまりに不自然だ。
桐生 三輝?(in蘇枋)
桐生 三輝?(in蘇枋)
今日はパス
楡井 秋彦
蘇枋は逃げるように走り出した。
楡井 秋彦
どうしたんでしょう…
柘浦 大河
やろか…?心配やなぁ
楡井 秋彦
違うかと…
桜 遥
行っちまったんだし
もう済んだことだろ
桜 遥
柘浦 大河
ポトス行こか〜!
楡井 秋彦
そう言って、ポトスに向かう 一同であった。
蘇枋 隼飛?(in桐生)
全力疾走の後、息を切らした桐生は 息を整えようと一度立ち止まった。
蘇枋 隼飛?(in桐生)
タッタッタッ…
誰かがこちらに走ってくる 足音がする。
蘇枋 隼飛?(in桐生)
感じ…?やばいじゃん…
目の前の曲がり角を 焦って飛び出したその時。
蘇枋 隼飛?(in桐生)
ドン!
またしても、誰かと勢いよく ぶつかった。
曲がり角には気をつけよう。 また一つ反省する桐生であった。
桐生 三輝
あれ…?
目の前で尻もちをついていたのは 蘇枋だった。
蘇枋 隼飛
桐生 三輝
かまして何言ってんの
…ってか、あれ?
桐生 三輝
入れ替わった二人の体は、 すっかり元通りになっていた。
蘇枋 隼飛
もう一回ぶつかって
みる、なんてのは鉄板
だよね〜
蘇枋 隼飛
桐生 三輝
蘇枋 隼飛
桐生 三輝
いじわる〜!!!
蘇枋 隼飛
桐生 三輝
疲れたんだからね!!
蘇枋 隼飛
桐生君面白いから
桐生 三輝
しない…!!
蘇枋 隼飛
桐生 三輝
〜〜〜っ!も〜!
蘇枋 隼飛
蘇枋 隼飛
正直ちょっと舐めてた
桐生 三輝
蘇枋 隼飛
ってこと
桐生 三輝
皆に今日変だってこと
バレちゃったの?
蘇枋 隼飛
蘇枋 隼飛
蘇枋 隼飛
ってことに気づけたよ
桐生 三輝
桐生 三輝
ちょっと嬉しいね
蘇枋 隼飛
桐生 三輝
それはそうとして、すおちゃんが オレにいじわるしたことは 忘れないからね? 二人目の策士はクスリと笑った。
入れ替わっちゃった!? 第1話・蘇枋&桐生の場合 〜Fin〜