芽依
体育館裏の花壇にさぁ
血を吸う木があるの知ってる?
血を吸う木があるの知ってる?
さくら
知らない、知らない
なにそれ
なにそれ
芽依
なんかね、木の幹に白い繭みたいなのがたくさん付いてて
芽依
触るとそこにべったりと血がつくんだって
紗良
知ってる〜
私触ったことあるよ
私触ったことあるよ
芽依
本当?
どうだった?
どうだった?
紗良
うーん、確かに繭みたいな白いものを触ったら、そこが赤くなったけど
紗良
自分の指は傷もついてなかったから、血じゃないんじゃないかな
さくら
へーそうなんだ
芽依
でも赤くはなるんだ
紗良
うん
不思議なんだけどね
不思議なんだけどね
芽依
ねぇ行ってみない?
紗良
いいけど、多分つまらないよ?
さくら
でもその現象がなんなのか知りたい!
紗良
確かに
芽依
じゃあ行こう!
紗良
ここだよ
芽依
うわ〜マジだ
白い繭が沢山ついてる
白い繭が沢山ついてる
紗良
なんなんだろうね、これ
さくら
触ってよ、芽衣
芽依
わたし?!
紗良
言い出したのは芽衣じゃん笑
芽依
わ、わかった
さくら
頑張って
芽依
いくよ・・!
さくら
うわっうそ・・!
紗良
ね!赤くなるでしょ?
芽依
ほんとだ〜
でも指に怪我はしてない・・え?
でも指に怪我はしてない・・え?
さくら
えっえっえっ?!
紗良
芽衣!血が!
芽依
えっ!
なんで?
なんで?
芽衣の指から鮮血が滴る
さくら
なんで?怪我しないんじゃなかったの?
何かで切った?!
何かで切った?!
紗良
このハンカチで押さえて、押さえて!
芽依
う、うん
さくら
止まった?
芽依
たぶん
芽依
ハンカチ汚してごめんね
紗良
いいよ、そんなの
さくら
とりあえず傷口みせて
芽依
うん
紗良
え・・
さくら
あれ?傷がない?
芽依
っていうか、さっき血出てたよね
3人は芽衣の手に握られた 全く汚れていないハンカチを 黙って見る
芽依
どういうこと?
さくら
なにこれ・・
紗良
ね、ねぇもう教室戻らない?
芽依
そうだね、行こう
さくら
うん
・・・
まって・・・
さくら
!だれ?
芽依
・・もう行こうよ
・・・
待って・・・・
紗良
誰の声?
聞こえるよね?!
聞こえるよね?!
・・・
待って・・・・・
私の血を止めて・・・・
私の血を止めて・・・・
ふとした気配に3人は白い繭のついた 大きな木を見上げる
白い繭は上に向かうほど増え 大ぶりの枝先にひときわ固まっている
紗良
ねぇ、あれ・・
芽依
いや!
さくら
きゃーーー!
繭に見えた固まりがぐるんと回ると 同い年くらいの女の子の顔がみえた
その口や目からは ポタポタと赤い血が落ちていて 地面を真っ赤に染めていた・・・