テラーノベル
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黒嵜 鵼
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その部屋には,窓がなかった.
白い壁,白い床,白い天井.すべてが過剰なまでに無機質で,清潔だった.
部屋の中央には,二つの椅子が置かれている.
一つには,ツインテールを完璧に結い上げた少女ーー初音ミクが座っていた.
彼女の瞳は普段の輝きを失い,まるでガラス玉のように虚空を見つめている.
もう一つには,ドリル状のツインテールが特徴的な少女(?)ーー重音テトが座っていた.
彼女は狂ったように頭を振り,手拍子を叩き続けている.
???
部屋の隅,影の中から声が響く
そこには,黄色と黒の混ざった深いフードをかぶった人物が立っていた.
顔は完全に陰に隠れ,その性別すら定かではない.
ただ,フードの奥から覗く,すべてを冷徹に見下ろすような鋭い眼光だけが不気味に光っている.
フードの人物の手元には,レトロな振り子が揺れていた.
カチ,カチ,カチ.
規則正しい音が部屋に満ちるたび,ミクとテトの思考は,さらに深い泥の中へと沈んでいく.
???
???
影の中で,不敵な笑みが形作られた.
その瞬間,ミクの口元が不自然に釣り上がる.
それは,感情の伴わない,完璧に計算された「笑顔」だった.
コメント
1件
読了しました。真っ白で窓のない部屋の息苦しさが序盤からひしひしと伝わってきます。虚ろなミクと、狂騒的に手拍子するテトの対比が鮮烈で、振り子の「カチ、カチ…」に思考が沈む感覚、最後の感情のない「笑顔」が背筋を冷やしました。謎のフードの人物の正体も気になります。続きが楽しみです!