星光る空、君の隣を

最近後ろから視線を感じる

授業の時も、休み時間の時も

後ろの席に人がいる、

そう言われればそうかもしれないが

移動教室だって視線を感じ

恐怖を感じさせるをえない

けれどそんな自意識過剰なこと

他の誰かに相談できるわけもなく…

いつもこんなやりとりで誤魔化している

えー

ざわめきが起こる中

私は先程渡された通知表

その内申に愕然としていた

私の志望校は決まっている

ここからは少し遠い

合唱部のある、理数系の高校だ

そこは最近人気校らしく、

必要な内申が43と言われる

でも私は……

内申は実技教科が2倍される

しかし私が4を取っているのは

保体、美術、技家

どれも実技教科だった

きっとまた、

親や塾の先生に怒られるんだろうな……

最近模試でも伸びがイマイチで

「もう少し頑張れ」

「美空の○○なところがダメなんじゃないか」

「そうやってケアレスミスばかりする人は高校にはいらないんじゃない？」

そんなことばかり言われる毎日

私は正直こんなので

本当に志望校に行けるのか怖い

行けたとしてもついていけるか

私みたいな人は、やっぱり……

起立！

慌てて立ち上がる

礼！

ありがとうございました〜

みな暑い中を

早く帰ろうとドアに殺到し

ひしめき合っている

紫織が最近頑張っているいる

それはいいのだけれど

むしろ嬉しいことだし

けれど………

これ以上誰かに追い越されては

志望校がますます遠くなる

だから紫織……

こんな考えをするのは

人としていけない事だと分かっている

でも……

そんなわけない

この前なんて………

10位だったのに……

2桁の順位は久しぶりだった

帰ってからも親や塾の先生に

散々怒られた

だから、もう………

やめて

これ以上私の中身を美化しないで

プレッシャーをかけないで

私はそんな、人じゃない―