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フェリシアーノ
目の前に広がる凄惨な光景をなるべく目に入れないように遠くを見た
フェリシアーノ
フェリシアーノ
フェリシアーノ
フェリシアーノ
京極正宗
狭い空間に緊張が走る
気を紛らわすために見た天井には監視カメラが5台付いていた
フェリシアーノ
京極正宗
明らかに見てはいけないものを見てしまったという表情を再びしたフェリシアーノに、京極は声を掛けた
フェリシアーノ
フェリシアーノ
京極正宗
それでもフェリシアーノは京極にしがみついたままだった
無闇に監視カメラの前で白旗を出されるよりマシだと思いそのままにしていたが、いつまでもそうしている訳にもいかなかった
残り10分です
やはり運営の想定内なのか、それとも404号室のタイマーも動いているのかは定かではないが、制限時間を告げるアナウンスが流れた
京極正宗
フェリシアーノ
京極正宗
京極正宗
京極はしがみついていたフェリシアーノを支えて立たせ、なんとか401号室へと二人は戻った
フェリシアーノ
京極正宗
フェリシアーノ
慣れた手つきでどこからか白旗を素早く取り出し頭を下げ、その状態で旗をパタパタと振った
それを見た京極は鞘から短刀を抜き、後ろへ素早く回り込んだ
フェリシアーノ
京極正宗
そのまま握りしめた刃を振り下ろしたが、フェリシアーノも咄嗟に動いた
フェリシアーノ
恐怖心が彼の記憶の奥底に仕舞い込んでいた“あの頃”を蘇らせたのか、今度は白旗ではなく銃を取り出した
紛れもなく玩具ではない、実弾の入った本物だ
京極正宗
京極正宗
京極正宗
第3ラウンドと似たようなスタイルになり京極はどこか焦りを感じていたが、フェリシアーノがぐずぐずしながら逃げるばかりなため、多少肩の力が抜けた
短刀特有の軽やかな動きで相手の懐へと駆け寄り、再度刀を握りしめる
研ぎ澄まされた鋭い刃で貫こうとした、そんな時だった
京極正宗
京極正宗
それまで涙を目に浮かべ戦から逃げていたフェリシアーノが、突如として無言で銃を乱射した
口から事あるごとに漏れていた謎の奇声も一つも漏らさず、ただひたすらに引き金を引いていた
京極正宗
京極正宗
それからというもの、京極はフェリシアーノの懐や後ろ、真上、足元などを狙い、部屋中を颯爽と駆け抜け
一方のフェリシアーノは弱音を一言も口から漏らさず、手持ちの銃を離すことなくひたすらに京極に向けて撃ち続けた
時々刃が服や肌を掠って傷ができたり、銃弾が髪や肌を掠って傷ができたりしたが、いずれも致命傷には及ばず、対戦は続いたままだった
京極正宗
フェリシアーノ
フェリシアーノ
相変わらず口数が少ないままだったが、少し話したことに京極はどこか安心感を覚えてしまった
残り3分です
無感情で冷たい声が部屋に鳴り響いた
残り3分、残された時間の少なさに二人は強い焦燥感を感じていたが、どちらも倒れることなく戦いは続いたままだ
フェリシアーノ
フェリシアーノ
フェリシアーノ
残り時間の少なさを肌で感じ、込み上げてきた涙を必死に抑える
ただひたすらに相手の動きを読み、追い、引き金を引いて気を紛らわした
フェリシアーノ
フェリシアーノ
残り1分です
フェリシアーノ
フェリシアーノ
表情を必死に作ってきたが、眉毛が自然に下がったり目がぴくぴくと痙攣したり口がムッと引きつったりし始めた
それでも相手はまだまだ攻撃を真剣に続けているため、涙だけは流さないように押し込めていた
京極がそれに気づいていないことだけが救いだったが、やがて限界に近づいてきた
京極正宗
そう言われたときは、思わず奇声が漏れそうになったがなんとか耐えた
タイマーを見ると確かに残り約30秒になっていた
フェリシアーノ
フェリシアーノ
その後もやはり決着はつかず、とうとう部屋が赤い光に包まれ始めた
フェリシアーノ
焦るフェリシアーノを未だに冷静に攻撃し続ける京極
5、4、3…と耳障りな声が頭をぐちゃぐちゃに掻き乱す
光で見えづらいだけで、十分に取り乱しているフェリシアーノの目には
監視カメラの向こうで高らかに嘲笑う運営の姿と
仲間と笑い合う皆の姿が映っていた
フェリシアーノ
京極正宗
フェリシアーノ
京極正宗
フェリシアーノ
フェリシアーノ
神聖r.
京極正宗
京極正宗
フェリシアーノを動かす力はただそれだけで十分すぎた
京極正宗
いつの間にか閉ざされていた瞼を無理矢理開けると、そこには先程と変わらぬ401号室の景色が広がっていた
京極正宗
体を起こそうとすると胸から腹部にかけてに人の体温ほどの温もりを感じた
不思議に思った京極は慎重に目をその違和感へと向けた
京極正宗
紛れもない事実
そこには自らを庇って倒れたフェリシアーノの姿があった