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山の麓にある、小さな家。
静かな暮らしは、ある夜――突然、崩れ去った。
血の匂い。焼けた木の煙。凍りついた空気。
この小説の主人公、りんねはただ立ち尽くしていた。
りんね
家族の呼吸が、もう聞こえない
足元には、力なく倒れた母と兄。
手を伸ばせば届きそうなのに、もう二度とその手はあたたかくならない。
凍える指で戸を開けたとき、月明かりに照らされて現れたのは――派手な羽織をまとった男だった。
銀色の髪。鮮やかな装飾、
一瞬、現実感がゆがんだように見えた
だけど、その男はりんねの目をまっすぐ見つめて、口を開いた。
りんね
りんねは一瞬声が出なかった
りんねは、ぎゅっと拳を握った。
りんね
その宇髄天元と名乗る男は一瞬だけ目を細め、そして、ニッと笑った。
りんねは天元が伸ばした手をギュッと握りしめた。
第一話 「プロローグ」終了