魔王のいる街

幼い颯は目を輝かせて期待している。

よりによって、なぜこんな夢を見てしまったのか。あの時初めて魔物と会った時からこの言葉を思い出すようになってしまった。

昔から母さんの昔話を聞くのが好きで、その中でも魔物という存在に惹かれていた。

その生態を、聞いて想像するだけで楽しかった。でも母さんは…本当の、父さんは…魔王に殺された。

ドラゴンの魔王、それは無数に存在していると母さんは言っていた。きっとネモもその1人だったんだろう。

だが、本当の魔物を見て分かったことがある。それは昨日のグリーンピースの魔物のような凶悪なやつもいれば、

ネモみたいな優しい魔王だっている！

外からはぼんやりと朝の光が見える。

またネモはうつ伏せで寝出すと尻尾をゆらゆら揺らしながら静かな寝息を立てた。

ごつい尻尾が俺の足に当たりまくる。

天使ちゃんも気づけば寝ていた。

強制的にみんなで散歩することにした。

なぜか少し先に血まみれで倒れている人が見えた。

駆け寄ってみると、なんとドラゴンっぽい角と尻尾が生えている人だった。

天使ちゃんは回復魔法を使った。ピンクに光る天使の輪がもっと強い光を放った。

ネモはとりあえずコーヒーとチョコとキノコとごぼうと醤油とじゃがいもと味噌と納豆と玄米とコーヒーを鍋にぶち込んだ。

結局颯が作った。

ネモはいい匂いがしまくるそのカレーを食べた。

ネモはその美味しさに驚きふんわりした笑顔を見せた。

天使ちゃんは目を輝かせ食べまくっている。

そういえばグリーンピースが入っている…

グリーンピース……………………

ネモは冷や汗をかいている。

ネモは気まずそうに去っていった。

部屋に入るとソファにへたりこんだ。

ネガティブな感情に反応したかのように突然ヴァイスが鳴いた。

力を振り絞って言っている。

ヴァイスは充電が切れた。

ヴァイスをよく見てみるとポケットがゆさゆさしている。

中から飛び出してきたのは昔飼ってたほわとわだった。

ほわとわは俺の胸ポケットにすっぽり入り込んだ。

その奇妙な生物はネモの胸ポケットに顔を埋めて尻尾を出しながら隠れてしまった。

天使ちゃんは目をキラキラさせている。

急にネモは目を見開き、俺の後ろに隠れた。

振り返ってみると、ネモは居なくなっていた。

天使ちゃんは俺を押してその場から去った。

顔色の悪いネモが気づけば横にいた。

相当怖かったようで、がくぶるしている。

ネモはまた颯の後ろに隠れた。

すると空から飴が落ちてきた。

ネモはすごーく悩んだ末、入ることにした。

何故か騎士団に入ることになってしまった。