テラーノベル
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💙青椒肉絲🧡
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スピーカーから流れてきた、聞き慣れた、低くて心地のいい声。 康二の心臓が、ドクンと嫌な音を立てて跳ね上がった。 弾かれたようにテレビの画面へ顔を上げる。そこに映っていたのは、ワイドショーの芸能コーナーだった。 画面の真ん中で、マイクを向けられて真摯にインタビューに答えている目黒の映像。 そしてその隣には、今回の熱愛報道の相手であり、映画でW主演を務めるあの清純派女優の姿があった。
コメンテーター
スタジオのコメンテーターたちが「いやぁ、本当にお似合いですね」「映画の公開がますます楽しみです」と口々に笑顔でコメントしている。 世界中が、あの2人を祝福していた。 世界中が、あの2人が結ばれることを望んでいた。 その世界の中に、「目黒蓮の本当の恋人」である向井康二の居場所なんて、1ミリも存在しなかった。
康二
康二は震える手でリモコンを掴むと、叩きつけるようにして主電源を切った。 画面が真っ黒に戻り、部屋に再び、残酷なまでの静寂が訪れる。 (知ってる。お仕事や。めめは、何も悪うない……) 頭では分かっているのに、じわじわと侵食してきた酸は、もう康二の心の形を保てないほどにボロボロに溶かしていた。
康二
クッションに顔を埋め、康二は声を押し殺して泣いた。 あの日交わした約束の枷が、部屋の冷たい空気と一緒に、康二の身体を重く縛り付けていた。 この孤独な夜が、康二を限界へと追い詰めていく。
コメント
1件
ああ、もう……胸がぎゅっとなりました。テレビの中であの2人が祝福されるのを、誰よりも近くで目黒を知っている康二さんが独りで見てる現場。分かってる、頭では分かってるのに心が追いつかないって、この描写すごくリアルでした。特に「叫びたい」「言いたい」って言葉、彼の必死なおもいがそのまま地の文になってて、一緒に泣きそうになりました。約束の枷が、こんなに重いものだって、読んでて初めて実感しました……次、どうなっちゃうんだろう。