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な、マジだろ?

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な、マジだろ?

1 - な、マジだろ?

♥

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2020年06月30日

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奏太

おー、つながった!まじか!

洋平

つながった!まじか!じゃねーよ
飲み会の途中でいなくなったからどうしたのかと思ったよ

奏太とはバイト仲間で なぜか会った瞬間からウマがあった

よくいう同じ波長のタイプの 人間なのかも知れない

お互いに男同士なのが残念なのだが 昔からよく知っているような 不思議な感覚さえある

仮に異性なら結ばれていても 全くおかしくない

俺の悩みを真剣に聞いてくれたり

励ましてくれたり

あるとき大失恋をして落ち込んで もう死んでもいいやと・・・

そんな俺を助けてくれたのも 奏太だった

いつの間にか本当に 大事な家族のようになっていた

奏太がいなかったら 俺は本当にここにこうして いなかったかも知れない

なぜそんなにも 安心できたのだろう

もしかして 苗字が偶然にも一緒だったのも あるのかも知れない

ま、そんなのは理由にはならないか

とにかく奏太は 心の隙間を 埋める存在になっていたのだ

しかしながら、奏太は事故で 2年前からの記憶はないという

どこかの店の前で ゴロッと転がっていたらしい

名前だけ覚えていたようなので すぐ関係者が見つかるはずだったが どこにも見当たらず

もしかして偽名もしくは思い込み なのかもしれない

まぁ、俺には奏太が偽名でも 思い込みでも なんでもいいのだが・・・

施設に置いてもらっていた奏太は 何もせずにいるのも 悪い気がして

その施設の資金を 提供している会社で 働くことにしたのだ

そしてそこに俺がいたというわけだ

洋平

で、どうしたんだよ!

奏太

落ち着けよ?
とりあえず落ち着いて聞けよ?

奏太

あのとき居酒屋のトイレが並んでてさ
ピンチだったから猛ダッシュで近くのコンビニに行こうと思ったのよ

洋平

コンビニだって、けっこう離れてんじゃん

奏太

そうなんだよ、いよいよもうダメだと思ってさ
そこら辺でするわけにはいかないしな

洋平

笑。そうとうピンチだったんだな

奏太

そうそう、いよいよピンチでさ

奏太

周りを見たら古いビルがあって
地下に降りる階段があったのよ

奏太

どこにも店が入ってない感じだったから、もしかして地下でできればと

洋平

だめじゃん!
結局、だめじゃん!

洋平

つーか、この近くに古いビルなんてあったっけ?

奏太

あったんだよね
そして地下に降りたらドアの向こうから声が聞こえたのよ

奏太

あー、ここは実は店をやってんだ
もうこの際、トイレを借りて一杯飲んで帰ろうかと

奏太

場所的にそんなに高そうじゃないし
もしかして、意外に良い飲み屋かも知れないし

奏太

で、ドアを開けたら電気はついてるのに誰もいないんだよ

洋平

それ、やばいじゃん
まさか入ったわけじゃないよな

奏太

さすがに俺だってそこまでは
不法侵入になっちゃうだろ

洋平

だよな

奏太

手が滑ってドアは閉まっちゃったんだけど、また開けて出たわけ

奏太

でも、相変わらずピンチじゃん?

洋平

おー、ピンチだねぇ

奏太

で、おもいっきり地下からの階段を駆け上ったのよ

奏太

そしたらさ……
信じられないと思うけど

洋平

なに?なんだよ?

奏太

思いっきり昭和の世界に出ちゃったの笑

洋平

は???なに???
どうした?急に!!

奏太

うん、俺も信じられなかったけど、あちこちグルグル歩いてみたり

奏太

携帯も繋がらないし

奏太

充電も無くなっちゃうし

奏太

周りも誰だかわかんないし

奏太

店に行っても食べ物を買えないんだぜ?

奏太

そうだよな、壱万円が聖徳太子の時代なんだもの

洋平

頭大丈夫か?
あれから1時間くらい経ってるけど
まだ酔ってんのか?

奏太

あー、そっちはまだ1時間なんだ?

奏太

こっちはもう1年だよ

洋平

洋平

なにいってんだよ、マジで
そろそろ俺だってキレるぞ!

奏太

だよなぁ、信じられないよなぁ

洋平

マンガみたいな話してないで、まだ飲んでるから帰ってこいよ

奏太

帰れないよ、今昭和だもん

奏太

で、まぁ、食い物も買えないし
ホントに途方に暮れてたんだよ

奏太

自販機を見つけたの
あ、小銭は昭和でも使えるかも!

奏太

そう思って財布を見たら
500円玉なんだよ・・・

奏太

よりにもよって使えない小銭・・・

奏太

もう、どうしようもないから
公園で水を飲んでベンチで寝てた

奏太

そうしたら子連れの若い母親が公園に来たんだ

奏太

俺の顔を見るなりその若い母親が

奏太

「あんた!どこ行ってたの!!」だって

洋平

なにそれ、オチあるやつ?

洋平

昭和の時代に行って電池が切れたのに電話できる?
充電出来ないだろ?

奏太

んー、それがだよ
おまえから借りたモバイルバッテリーがカバンの裏ポケットにあって

奏太

良かったよ
コンセントもあってさ
USBだけならアウトだった

奏太

飲み会で返そうと思ってたけど、忘れていて良かった

奏太

コンセントだけは昭和から共通だもんな

奏太

で……こで……思……出した……だ

洋平

なんて?なんか電波悪いな

奏太

そりゃあ、まぁ
時代を越えてるんだから笑

洋平

また、そんなわけわからん話
もういいよ

奏太

まぁ、いいや
信じる信じない関係なく続けるぞ

奏太

切れたら繋がらない気がするから
手短に話すわ

奏太

俺さ、その若い母親にあって思い出したんだ
この昭和の時代に家族がいたんだよ

奏太

奥さんと子供
男の子な

奏太

というのも、その公園で会った子連れの母親が俺の奥さんだったんだ

奏太

そして、この1年ですっかり思い出した

洋平

1年?

奏太

そう、こっちではもう1年経ってるんだ

奏太

そしておまえの時代に行く日
1年と2日前
その日も飲み会に出てて

奏太

あ、洋平
おまえと2年間すごしたよな?

洋平

だいたいそのくらいだね

奏太

それがこっちでは2日間くらいだったようだ

奏太

その1年と2日前、俺は仲間と、ビルの地下のキャバレーに行ったんだよ

奏太

その日も酔ってたんだな
地下に降りる前に足を滑らせて

奏太

そのままゴロゴロと転がった

奏太

一緒に歩いてた奴が慌てて助けに下まで行ったんだけど

奏太

俺のこと見つけられなかったようだ

奏太

だよなぁ、おまえの時代に行ってんだもんな

洋平

洋平

奏太

わかるわ、酔ってるうえにこんな話されてもな

奏太

信じろって言ったって無理だよな

奏太

だからさ、とにかく言いたいことだけいうよ

奏太

俺の子供の名前は陽一
わかるか?陽一

洋平

陽一。。。

洋平

陽一って俺の親父の名前と一緒だわ

奏太

一緒っていうか……
俺の子の陽一は
たぶんおまえのオヤジだ

洋平

はぁぁぁ??

奏太

一回、おまえからオヤジの特徴を聞いただろう?

奏太

頭の左側に屋根から落ちたときの傷

奏太

この前、陽一が屋根に上がってて落ちたんだよ

奏太

幸い、左の頭を切っただけで
後は異常は無かった

奏太

陽一が気を失ってるときは
俺も生きた心地がしなかったよ

奏太

で、その時にふと思ったんだ

奏太

もしかして

奏太

もしかして・・・

奏太

洋平は俺の孫なんじゃないかと

洋平

なに?なんのドッキリ??
なにがなんだかわかんないよ!!

奏太

洋平は陽一の子だからな
洋平は俺の孫なんだよ

洋平

もうわけわかんないな

奏太

まぁ、とりあえずそういうことだ
声も遠くなってきた
そろそろ電話も切れそうだな

奏太

おまえの話によると、
ジイさんはおまえが生まれる前に
死んだらしいな

奏太

ということは・・・だ
たぶん、おまえが生まれた時は、俺はこの目でおまえを見られないんだろう

奏太

残念だけど、孫には会えないんだ

奏太

けど、偶然にも成長した孫に会うことができた

奏太

いや偶然なんだろうか・・・

奏太

神様って粋な計らいをしてくれるもんなんだな

奏太

あ、そ……そろホン……に切れ……うだ

奏太

さい……に

奏太

いろいろ洋平……悩んでい……ようだけど
悩みは……人を成長さ……るんだ

奏太

悩んで、そし……挫折も覚えて
人に優しくで……るんだ

奏太

おまえは俺の誇れる……

奏太

じゃ……な

洋平

奏太??奏太???

奏太

応答なし

応答なし

年末年始は俺は地元に帰る

今年も実家に帰ってきた

奏太とはそれ以来会っていない 電話すら繋がらない

何が本当で何が嘘かわからない

年末番組を見ながら 酔った勢いもあって オヤジに奏太の話をした

なに言ってんだ と笑われると思いきや

オヤジは少し驚いたような そして少し笑顔のような

そんな複雑な顔で席を立った

戻ってきた手には 古そうな木製の箱があった

A4のノートほどの大きさの箱

その箱を見せながらオヤジは言う

陽一

ジイサンさ、これを預けながら
変なことをいうんだぜ

陽一

おまえの息子が何か不思議なことを
言い出したらこれを渡せってよ

陽一

まだ俺の奥さんすら見つからないのに
息子が生まれたらって言うんだぜ

陽一

息子ってなんでわかるんだよ!
って言ってやったけどな

そういうと、オヤジは俺に箱を渡す

なんか怖いからおまえがあけろ! だそうだ

俺は箱をそうっと開ける

陽一

なんだこれ!!!

洋平

なんだこれ!!!

さすがは親子だな 同時に同じ言葉を叫んでしまった

まぁ、そんなのはどうでもいい

箱の中には

奏太の使っていたスマートフォン

俺の貸したモバイルバッテリー

そして、ひと言書かれたメモ紙1枚

洋平! な、マジだろ?

この作品はいかがでしたか?

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コメント

1

ユーザー

ま、( >A<)マジカヨヨヨ!!! とても良い話でした。

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