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蹴られた脚が

殴られた腹が

叩かれた頬が

…そして、疑われた心が

ー痛い。

ある日のことだった。

いつもの様に部室に入った俺は目の前の光景に驚愕した。

赤葦

…嘘、なんで……なにこれ

シューズが、トロフィーが、タオルが、

部室にあった全てのものが滅茶苦茶に壊され、散乱していた。

部室の真ん中には、非レギュラーの2、3年数名が立っていた。

赤葦

…なに、してるんすか?なんで、こんな…っ

震える声で尋ねると、3年の1人、佐原さんがニタリと笑った。

佐原

…よう、赤葦。

赤葦

ようじゃないですよ…。これはどういうことですか。

先輩は嘲笑うように言う。

佐原

俺らさー、お前にムカついてんだよ。2年のくせに正セッターで副主将とか、でしゃばりやがって。

理不尽なことを言われ、つい言い返す。

赤葦

…は?でしゃばってなんかないです。それは努力の結果じゃないですか。

松平

え、じゃあなに。俺らは努力してないって言いたいわけ?

赤葦

そ、そんなことは一言も…っ

何かを投げつけられ、反射的にキャッチする。

見るとそれは、ハサミが突き刺さったシューズだった。

赤葦

これ…木兎さんの!?

松平

ま…これでお前の選手生命も終わりだから。お気の毒様〜ww

赤葦

それってどういう…

言いかけた瞬間、俺は床に倒され数人に押さえつけられた。その中の1人が外に向かって叫ぶ。

2年

だれかっ!!誰か早く来てください!!

赤葦

!!?

意味がわからずただもがいていると、見知ったレギュラーメンバーがやってきた。

木兎

どうした!?

赤葦

木兎さ…っ

木兎さんに助けを求めようとしたが頭を床に押さえつけられる。

松平

木兎!赤葦が…部室をめちゃくちゃに!!

は?おい、なに言ってんだ?部室はあんたらが…

猿杙

え…赤葦。その手に持ってるのって…

みんなの視線が組み伏せられた俺の手に集まる。

木葉

木兎の…だよな。

小見

おい、赤葦。お前まさか…

赤葦

違う!!俺はやってないです!!

俺は必死に腕の下から這い出して木兎さんにすがりついた。

赤葦

木兎さん、信じてください!これやったのはこの…っ

再び言葉を遮られる。

佐原

俺たちが来たら、赤葦がもの壊してたんだよ!だから俺ら、必死に止めたんだ!!

赤葦

そんな…っ!

木兎さんを見上げると、木兎さんは呆然とした表情で言った。

木兎

赤葦……お前がやったの?

その瞬間、俺は部室を飛び出していた。

心が抉られるように痛くて、息が苦しくなった。

いつのまにか、涙が溢れて止まらなくなっていた。

それから、その噂は瞬く間に広まった。

『2、3年に罪をなすりつけて、レギュラーの座を取られないようにした』

と、ありもしない疑いをかけられ、あらゆる人からいじめを受けるようになった。

部活も退部になり、木兎さんたちと顔を合わせることはなくなった。

代わりに放課後は暴力を受けるようになり、毎日違うところに痣ができた。

…けど、傷の痛みなんかより、なによりも木兎さんたちに疑われたことが一番辛かった。

ついに俺は学校へ行かなくなり、毎日部屋で泣いていた。

毎日、同じことを考えた。

もう一度だけ、バレーがしたかった。

もう一度だけ、トスを上げたかった。

もう一度だけ、みんなと笑い合いたかった。

…もう一度だけ、木兎さんたちの声が聞きたかった……。

嫌われ梟と檸檬と太陽

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