蹴られた脚が
殴られた腹が
叩かれた頬が
…そして、疑われた心が
ー痛い。
ある日のことだった。
いつもの様に部室に入った俺は目の前の光景に驚愕した。
赤葦
シューズが、トロフィーが、タオルが、
部室にあった全てのものが滅茶苦茶に壊され、散乱していた。
部室の真ん中には、非レギュラーの2、3年数名が立っていた。
赤葦
震える声で尋ねると、3年の1人、佐原さんがニタリと笑った。
佐原
赤葦
先輩は嘲笑うように言う。
佐原
理不尽なことを言われ、つい言い返す。
赤葦
松平
赤葦
何かを投げつけられ、反射的にキャッチする。
見るとそれは、ハサミが突き刺さったシューズだった。
赤葦
松平
赤葦
言いかけた瞬間、俺は床に倒され数人に押さえつけられた。その中の1人が外に向かって叫ぶ。
2年
赤葦
意味がわからずただもがいていると、見知ったレギュラーメンバーがやってきた。
木兎
赤葦
木兎さんに助けを求めようとしたが頭を床に押さえつけられる。
松平
は?おい、なに言ってんだ?部室はあんたらが…
猿杙
みんなの視線が組み伏せられた俺の手に集まる。
木葉
小見
赤葦
俺は必死に腕の下から這い出して木兎さんにすがりついた。
赤葦
再び言葉を遮られる。
佐原
赤葦
木兎さんを見上げると、木兎さんは呆然とした表情で言った。
木兎
その瞬間、俺は部室を飛び出していた。
心が抉られるように痛くて、息が苦しくなった。
いつのまにか、涙が溢れて止まらなくなっていた。
それから、その噂は瞬く間に広まった。
『2、3年に罪をなすりつけて、レギュラーの座を取られないようにした』
と、ありもしない疑いをかけられ、あらゆる人からいじめを受けるようになった。
部活も退部になり、木兎さんたちと顔を合わせることはなくなった。
代わりに放課後は暴力を受けるようになり、毎日違うところに痣ができた。
…けど、傷の痛みなんかより、なによりも木兎さんたちに疑われたことが一番辛かった。
ついに俺は学校へ行かなくなり、毎日部屋で泣いていた。
毎日、同じことを考えた。
もう一度だけ、バレーがしたかった。
もう一度だけ、トスを上げたかった。
もう一度だけ、みんなと笑い合いたかった。
…もう一度だけ、木兎さんたちの声が聞きたかった……。
コメント
6件
赤葦くんんん かわいそうだぁぁぁぁあ
え、ちょ、56して来て良い?
全く関係ないんですけど佐原って自分の担任の先生の苗字と一緒なんですよーwwwwwww