mrpk

翔ちゃんと一緒にいるようになってから、僕は笑うことが増えた。

翔ちゃんといると心が軽くなるような気がして

その優しい瞳を見つめると、自然と笑みが零れてしまう。

心配なのはそうだけど、本当は一緒にお出かけしたい気持ちもあったから。

なんでそんなに悲しい顔するの？

聞いていいのかな。

もし、もしここで聞いて翔ちゃんがさらに塞ぎ込むようなことになったら？

翔ちゃんに、嫌われちゃう。

結局何も言えないままだった。

本当に｢もしも｣なの？

君は人間じゃないの？

君はその質問にどんな反応してほしいの？

迷ったけど、ありのままを伝えた。

真面目な話だから、嘘を交えて話すのも失礼だと思うし。

何よりこんな拙い言葉でも翔ちゃんが安心できるならそれでいいと思ったから。

でも、君は僕が想像してた反応をしてくれなかった。

今の翔ちゃんから感じ取れる感情は、安心とか、嬉しいとか、そういうのじゃなかった。

かといって悲しんでいるようにも見えなかった。

諦めている。

何かを諦めているような雰囲気がある。

僕はその顔が見たかったんだ。

安堵と安らぎに満ちたその顔が。

大丈夫、大丈夫。

なろっちなら認めてくれる。受け止めてくれる。

出せ、声を出せ。

一生そばにいるって誓ったんだろ…！

怖い。

何を言われるかわからない。

いくらなろっちといえど、数年過ごしてきた恋人がコウモリだったらすぐに受け止めきれないのはわかってる。

でも、大丈夫、俺は。

俺はなろっちを信じてる。

確かになろっちはそういう奴やったな。

まさか受け入れてもらえるとは思ってなかった。

俺もまだこの体を完全に受け入れられてない。

なろっちは、どこまでも優しくて暖かいな。

こんなのわがままだって知ってるけど