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知樹ートモキー

久しぶり。

郁斗ーイクトー

急に呼んで悪い。

知樹ートモキー

小景ちゃんのこと調べてるって言われたら来るしかないよ。

久我は俺たちと向かい合うように座る。

知樹ートモキー

で、何か分かったの?

涼雅ーリョウガー

何も。

知樹ートモキー

まあそうだろうと思ったよ。

久我は呆れたような顔で笑う。

知樹ートモキー

……それで、僕にも何か聞いてく?

涼雅ーリョウガー

小景さんのこと、教えてくれないか?

知樹ートモキー

いいよ。

知樹ートモキー

何が知りたいの?

涼雅ーリョウガー

小景さん、無理してたんじゃないかって思ってる。

知樹ートモキー

……まあ、そうだね。

久我の表情が一瞬曇る。

鈴花ースズカー

やっぱり、何かあったの?

知樹ートモキー

小景ちゃんはさ、生徒会の仕事も手伝ってくれてたんだ。

知樹ートモキー

めちゃくちゃ助かったけど……今思えば、頼りすぎてたのかもしれない。

郁斗ーイクトー

頼りすぎてた?

知樹ートモキー

うん。

知樹ートモキー

小景ちゃん、誰よりも動いてたし、断らない子だったから。

知樹ートモキー

でも、それってつまり……

涼雅ーリョウガー

“本当は嫌だったかもしれない”ってことか。

知樹ートモキー

……かもしれないね。

久我の声が少し苦しげになる。

鈴花ースズカー

でも小景ちゃん、そんな素振り見せなかったよね?

知樹ートモキー

だから気づけなかったんだよ、僕も。

久我は唇を噛み、少し俯く。

涼雅ーリョウガー

小景さんがいなくなる前、何かあった?

俺の問いに久我は少し黙る。

知樹ートモキー

……僕ね、小景さんに告白したんだよ。

郁斗ーイクトー

えぇ!?

鈴花ースズカー

告白!?

知樹ートモキー

高3の夏休み前にね。

郁斗ーイクトー

じゃ、じゃあ2人とも付き合って──

知樹ートモキー

ううん、フラれたよ。

涼雅ーリョウガー

え……。

知樹ートモキー

好きな人がいるから、って。

郁斗ーイクトー

好きな人……。

知樹ートモキー

その好きな人っていうのは、どうやら僕じゃなかったらしい。

そう言いながら、知樹くんは小さく笑った。

知樹ートモキー

僕が知ってるのはこれくらい。

知樹ートモキー

……いや、何も知らなかったね。

鈴花ースズカー

そっか……ありがとう。

郁斗ーイクトー

じゃ、行くか。

知樹ートモキー

ちょっと待ってよ。

立ち去ろうとする俺たちに久我は声を掛ける。

知樹ートモキー

聞くだけ聞いといて、僕には質問させないつもり?

知樹ートモキー

そんなの不平等じゃない?ねえ?

久我はそう言って微笑む。

鈴花ースズカー

あ、ごめんね!そんなつもりは……。

知樹ートモキー

ならよかった。

知樹ートモキー

僕もずっと聞きたいことがあったんだよ、涼雅くん。

涼雅ーリョウガー

……俺?

知樹ートモキー

そ、君にね。

久我の口が弧を描く。

知樹ートモキー

涼雅くんさ、小景さんがいなくなった日、2人で海にいたよね?

涼雅ーリョウガー

え……?

知樹ートモキー

何してたの?

夏の影を追いかけて

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コメント

2

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ともたんビジュ良いじゃん 恋人では無かったけど、告白はしててちょっと嬉しい 二人で海ってなんですか!?ロマンチックなのか、はたまた心中……

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