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夢を見た。
そう、何ら変わりのない夢。 久しぶりにまともな夢を見た。ただそれだけである。
……。
脳が夢から覚めて、目の前に見えるものを現実として認識しているのに、先程まで見ていた夢の声がまだ聞こえる。
幻聴?そんな馬鹿な。私は今まで幻視も幻聴も経験したことがない。急に幻覚の類が出てくるだなんて、有り得ない。
いや、もしかしたら。幻聴くらいは、経験したことがあるのかもしれない。 今まで気のせいだとか疲れているだけだとか、そんな理由で無視していた状態に慣れてしまっただけなのかもしれない。 幽霊の声と信じると本当にそうなってしまいそうだから、なんでもないように振舞ってきたのかもしれない。
聞こえた声は三つ。 一つ目と二つ目は同一人物の可能性がある。まぁ、夢にそういう事を求めてはいけない。
一つ目は、おそらく男の声。 二つ目は、ほぼ聞こえなかった。 三つ目は、掠れた女性の声。 三つ目に関しては、多分私自身の声だろう。私の声とは思えないほど、声は高かったが。
正体を探ろうとしても、夢の記憶は徐々に薄れていく。 ああ、もう少しで掴めそうなのに。あと、ほんの少し。私の腕がもう少し長ければ…。
そのとき、不安になる鳥の鳴き声が響いた。
山梨 藤美
山梨 藤美
山梨 藤美
山梨 藤美
山梨 藤美
山梨 藤美
山梨 藤美
山梨 藤美
山梨 藤美
山梨 藤美
山梨 藤美
山梨 藤美
山梨 藤美
山梨 藤美
山梨 藤美
山梨 藤美
山梨 藤美
山梨 藤美
夢を見た。 目覚めが悪い。
あと少しだけでいいから。
時間を……。
私の目を覚まさせようとする歌が聞こえる。綺麗で、とても騒々しい音。
予知夢だとか、明晰夢だとか、そういうものを見たことがない。 毎回見るのはいやにリアルな夢だらけで、毎夜寝るのが嫌になる。
それでいてその夢は「私がこうなりたかった」という内容だから、目覚めるのも億劫になる。
まぁ、寝て起きたら夢の内容が思い出せないとか、そもそも夢を見た気がしない時とか、そういうのもざらにあるけれど。
夢は不思議なものだ。どこかに夢についての論文等が出ていないのかなと想像するうちに、意識は夢に叩き落とされた。
夢の世界があると思う? 夢って、結局は人間が空想に集中しているだけじゃないのかしら。 だって、起きてすぐ夢の世界から帰ってこれるなんて時間的に有り得ないし、夢の世界なんて探しても世界のどこにもないんだもの。
───桃源郷って、あると思う?