いっしょに

13:00

今日が約束していた日。

待ち合わせ場所に10分前に着いてしまった……

はりきりすぎたかな……

人がたくさん行き交う中、俺は1人でスマホを見ていた。

清楚な格好をした灯理。

可愛い………

もうとっくに惚れ始めてるよな……俺……

宮田さん……

かっこいいな………

………

もしかして、私……もう惚れ始めてる……？

俺たちが行ったのは、映画館。

大好きなReiちゃんが主題歌をやっている映画を、2人で見に来た。

ジャンルはアクションホラーで、ミイラと化した全人類を助ける……的な内容。

2時間半、映画館で過ごし、外に出た。

まさか、女性を少し遠くにある自動販売機まで歩かせるわけには行かないだろ。

ほんの少し暑かったから、冷たいココアとお茶を買って、戻ろうとした。

ガッ

グイッ

俺は、思いっきり灯理を奴らから離して、

思わず抱きしめてしまった。

人目が通り過ぎる中、俺は、ずっと灯理を抱きしめていた。

灯理の目の周りは涙で少し濡れて、赤くなっていた。

俺の灯理を抱きしめる強さは、もっと強くなった。

しばらく抱きしめたあと、そっと離した。

こうして、俺と灯理は付き合い始めて、

この数ヶ月後、お互いの両親に挨拶した。

灯理のご両親も、俺の母さん父さんも、泣いて喜んでくれた。

初めて灯理のご両親に会いに行った日の夜。

子どもが欲しい

灯理は、そう言った。

絶対、幸せにしてやる。

でも……

俺なんかで……よかったのか……？