⚠︎nmmn注意⚠︎ ⚠︎キャラ崩壊注意⚠︎ ⚠︎誤字脱字注意⚠︎ ⚠︎神様パロ⚠︎
主
主
主
金色の犬は縁を見つめ、幸福を祈る
六奏神社の縁側は、昼下がりがいちばん気持ちよい。
柔らかな光が屋根の隙間から差し込み、縁側の木目をあたたかく照らす。
金色の粒を溶かしたような光がふわふわと浮かび上がり、風に揺れた。
そのまんなかで――みことは、もぐ、と和菓子を頬ばっていた。
ℳ
ほっぺがふに、と膨れている。
食べているのはこさめが買ってきた上生菓子。
桃色の花の形をしていて、口のなかでしゅわりと溶ける。
みことはしばらく幸せそうに噛みしめ、それからきらきらした目で第二波をもぐもぐし始めた。
そのとき――
カラン。
静かな境内に、ひとつだけ硬貨の落ちる音が響いた。
みことの耳が、ぴくりと動く。
ℳ
縁側に座ったまま、そっと耳を澄ませた。
聞こえてきたのは、参道に立つ女性のか細い声。
その“願い”はまっすぐで、ひどく温かい響きを持っていた。
みことは思わず目を瞬いた。
ℳ
口元が緩む。
ℳ
だけど同時に、ひとつ困ることがある。
ℳ
肩を落として苦笑した。
六奏神社の掟。
神獣の姿を人前で晒さないこと。
それを破れば、なつにもいるまにも、すちにも怒られる。
らんは柔らかい声で諭してくるし、こさめは泣きながら「怒ってるよ〜!」と言ってくる。
――なので、みことは縁側に座ったまま、ぽりぽりと耳をかいた。
女性はお祈りを終えると、社務所のほうへ向かった。
そこにいるのは、みことのなかでも“人間対応がダントツで上手い神様”、こさめだ。
𝒦
𝒦
こさめの声は爽やかで明るい。
女性が近づくと、こさめは柔らかく笑い、
𝒦
女性が近づくと、こさめは柔らかく笑い、
ℳ
縁側から見守っていたみことが頬を緩める。
女性は迷いながら棚を見つめ、ひとつの桃色の御守りをそっと手に取った。
――恋愛成就。
その瞬間、こさめがにこっと笑った。
𝒦
𝒦
女性の目が驚きに揺れた。
𝒦
こさめの声はどこまでも無邪気だ。
代金を受け取ると、こさめはふと女性に顔を寄せ、小さく囁いた。
𝒦
女性の頬が、ぱぁっと赤くなる。
𝒦
𝒦
𝒦
こさめは軽くウィンクした。
女性の顔はさらに真っ赤になり、深々と頭を下げて帰っていく。
ℳ
みことは口をぱくぱく動かしながら感心する。
女性が去ったあと、こさめは縁側で和菓子を食べるみことに気づき、手を振った。
𝒦
𝒦
手振りが完全に“頼んだよ!”のそれだ。
みことは口に残った餡を飲み込みながら、こくんと頷いた。
ℳ
立ち上がると同時に、境内に一筋の光が差し込む。
周囲に人がいないのを確認し――みことの耳が、ふわっと変化した。
金色の犬の耳。
続いて腰のあたりから、きらきら輝く尻尾が生まれる。
𝒦
ℳ
みことは胸に手を当て、そっと祈る姿勢を取った。
瞳の奥に、柔らかな光が灯る。
ℳ
声は風のように静か、陽だまりのように優しい。
ℳ
その瞬間――金色の粒子が、静かな境内にふわりと舞い上がる。
日差しを受け、光の粒が花びらのように散っていく。
粉雪のようで、羽のようで、奇跡そのもののようだった。
縁側の緑の影に溶けてゆく金色の光は、人間の目には映らない。
けれど確かに、願いを抱えたあの女性へ向かっていた。
みことはそっと目を開ける。
ℳ
ℳ
こさめが嬉しそうに笑った。
𝒦
ℳ
ℳ
二人は顔を見合わせ、同時にほわっと微笑む。
祈りを終え、みことは人間の姿へ戻ると、また縁側に座り込んだ。
ℳ
ℳ
𝒦
そのとき、境内の木陰に、薄い金色の光が一瞬揺れた。
祝福の余韻だ。
みことは気づき、目を細める。
ℳ
祝福の神としての確信があった。
金色の犬は縁を見つめ、幸福を祈る
コメント
1件
犬の耳と尻尾がはえたみこちゃん絶対かっこいい✨️ 今日も最高でした!続き楽しみにしてます!!!