TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

溺れる先にある愛を知ればええ。

一覧ページ

「溺れる先にある愛を知ればええ。」のメインビジュアル

溺れる先にある愛を知ればええ。

3 - に 「泡にならぬように。」

♥

100

2025年06月22日

シェアするシェアする
報告する

天城さん、サインと印鑑、
できましたよ。

結良

お、ありがと〜。

結良

じゃあこれは俺から出しとくから、

結良

今日から夫婦ってことで。

……はい。

……何故、

何故この人はこんなに楽しそうなんだ

だって私たちはこの関係に至るまで

“借金を取り立てる人”と “取り立てられる人”だったのに。

なんでこんなに、

こんなに……

でも、

(私を求めてくれる人がいるのは、
悪くないな……。)

そういえば、名刺をもらった時には 気づかなかったが、

「ゆうら」って読むんですね。

結良

ん?あぁ、言ってなかったっけ?

結良

そう、「あまぎ ゆうら」。

結良

珍しいでしょ?

はい、とても。

結良

父さんがつけたんだ。

結良

「良い結びに逢えますように」って意味らしい。

……いいんですか?
そんな父親を騙して。

良い結び。

それがどう言う意味かは分からない。

でも、「良い人と巡り会えますように」と 言う意味は、どこかしらにこもっているだろう。

なのに、どうして……。

結良

……いいんだよ。

結良

愛なんて、見つけるんじゃなくて
育む者でしょ?

貴方と私で育むと
思えるんですか?

結良

え、無理なの?

……ただの契約ですよ。

そう言って、用意された自室に 急いで戻った。

結良

…………。

結良

“ただの契約”、ねぇ。

深い深い、海の底。

そこで誰かが、私の名前を 呼んでいる。

小さい、男の子の声。

「ごめんね、

“樂ちゃん”……」

そこで丁度目を覚ます。

何時かと時計を確認しようと振り向く。

……何でいるんですか。

結良

ん?おはよ。

質問に答えてください。

結良

だって、夫婦が一緒に寝るのは
当たり前でしょ?

結良

体の関係になってないだけ
いいと思って?

あぁ、まただ。

またその顔。

遊んでいるように見えて、 どこか私を心から気遣っている顔。

私はその顔が嫌い。

その顔の真実を知ったら、

2度と地上に上がれなかった 人魚姫になるような気がして、

……泡に、なりそうな気がして。

……大学に、行ってきます。

結良

うん、
朝ごはんは準備してあるから食べてね。

……一緒に食べないんですか?

結良

嫌がるかなと思って。

……勝手にしてください。

実生

樂、なんかあった?

え、いいや全然?

実生

うそぉ、

実生

箸上下逆だよ?

突然そう言われて そんなわけ……と返そうとすると、

明らかに持つ部分で 野菜を掴んでいた。

実生

絶対なんかあったじゃん。

…………。

「樂ちゃん。」

あの少年の声と 彼が重なって、しょうがない。

でも、あの少年の声の記憶が 私には一切ない。

あの少年は、 結良さんなのか。

果たしてそうだったとして、 彼と私は以前にあったことがあるか否か。

全てが分からない。

……私結婚したんだよね。

かしゃん、

明らかに驚いてスプーンを落とした音が 耳に入る。

あーあ、カレーに漬かっちゃったじゃん。

実生

え、待ってそれ本当?

うん。

実生

相手は?

うーん……

金持ち?

実生

どこにそんな男いたの?

……海の底。

またまたぁ〜と 実生は笑っている。

流石に「取り立てで出会いました」 とは言えないし、

まあ事実みたいなもんでしょ。

実生

え、決め手は?

え……。

…………強いて言えば金?

嘘はつけない。

実生

え〜いいなぁ〜
顔は顔は?

悪くはないよ。

実生

てか、大学入ったばっかなのに
よく結婚したね⁉︎

……お互い愛してたから。

嘘ついたわ。

(やっと授業終わった……。)

外に出ると、女性たちが何やら 騒いでいる。

その的になっている人物が、 すぐに分かった。

実生

ねぇ、あの門にいる人
超イケメンじゃない?

実生

車めっちゃ高級そう……
てか身につけてる物全部
高そう……。

こちらに気づいたその人は、 笑顔で手を振った。

とりあえず振り返しておく。

女性の的が私に変わる。

実生

え、樂知り合い?
誰、誰なの?

…………。

大きくため息をついた後、 覚悟を決めて口を開いた。

旦那。

実生

…………。

大学まできたんですか?
こんな高そうな服着て……
目立ってますよ。

結良

ちょっと用事ができちゃって。
服は用意してるから車で
着替えてくれない?

……分かりました。

実生

えぇぇぇ⁉︎

溺れる先にある愛を知ればええ。

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

100

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚