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溺れる先にある愛を知ればええ。

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溺れる先にある愛を知ればええ。

4 - さん 「小指は覚悟しておけ」

♥

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2025年06月23日

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待ってください。

結良

待たないけど。

何ですかこの高級そうな
ドレスは。

結良

俺からのプレゼント。

……お返しします。

結良

冗談だよ〜。

へらへらしていたのに、 急に真剣な顔になって背筋が伸びた。

結良

父さんが、今日急に
夕食を一緒に食べたいって。

え。

結良

俺が選んだ嫁さんの顔を見たいって
聞かなくて……申し訳ないけど、
横でニコニコしてそれっぽい事
言ってくれればいいから。

……分かりました。

彼の父親ってことは、 組の頂点にある人……。

……私のことは、
知ってるんですか?

結良

ううん、父さんはもうすぐ
降りる予定だから、

結良

多分樂ちゃんの母親の事も
知らないと思う。

そう、ですか。

ならば簡単だ。

“妻のフリ”をすればいいだけ。

結良

父さんただいま。

お邪魔します。

おぉ、いらっしゃい。

そこにかけてくれ。

優しく目元が緩んでいる。

警戒されている様子はなさそうだ。

この度、結良さんと
結婚いたしました、樂です。

うむ、とても美しい女性だ。

私は天城 靖。
これから天城家の一員として
よろしく頼むよ。

ええ、よろしくお願い致します。

なんだろう、

気が抜ける。

この人は組の長なのに……

どうしてこんなに、 優しくしてくれるんだろう。

もっとなんかこう…… 色々覚悟を決めさせられるのかと 思っていた。

(偏見すぎたか……。)

樂さんは、大学生だったかな?

はい……そうです。

まだ若いのに……結良みたいな
者でいいのか?

……なんて言おう。

別にこの結婚を、 利用として見なかったとしても、

私は嫌じゃないと言うだろう。

……私は、家族とあまり
仲良くなかったので、

結良さんのような優しい方と
結婚できて、嬉しく思います。

良い心構えだ。

……結良。

急に目つきが鋭くなって、 背筋がのびる。

当の本人は、 何も変わらない様子だ。

今回お前がお見合いを断ってまで
選んだ人物を
いかんとは言わん。

むしろ、このような女性が
天城家に居てくれるのは良いことだ。

ただし……樂さんを泣かせるような
バカな真似をしたら……。

小指は覚悟しておけ。

今の時代存在するんだ…… 小指取る文化……。

結良

はーい。

(軽っ⁉︎)

結良

大丈夫だよ、

結良

一生をかけて大事にするから。

……この笑顔の意味が、 ようやく分かった。

(お義父さんの遺伝なんだ……。)

そういえば結良、
今日は華代様が来られてるぞ。

最後くらい挨拶をしておけ。

華代様、

その名前を聞いた瞬間、 結良さんの瞳が変わった。

結良

……分かった。
樂、ちょっと待ってて。

あ、うん……。

……結良は、不器用な子だろう。

へっ?

自分の感情を人に伝えるのが
苦手なのだ。

まぁ私の遺伝だろうな、と 冗談ぽく笑っている。

……私の妻は、結良が小さい頃
他界してしまった。

少し話せない事情があってな。

そのせいで、結良には
寂しい思いをさせた。

その話を聞くと、 今日ここにお義母さんが居ないのも 辻褄が合う。

だが……この組を継いでもらうには、
どうしても後継が必要で、

結婚をさせなきゃならなくて、
お見合いをさせたのだ。

お見合い。

愛がなくていいなら、 結良さんはその人と結婚をすれば 良かったはずだ。

なのに、どうしてわざわざ お金のない私なんかを……。

そのお相手が……
先程の華代様、というお方ですか?

そう聞くと、 お義父さんは頷いた。

同じ、鬼闇で育った
組の子だ。

結良の好みでないとは
分かっていたが、

華代様がどうしても
お見合いなら私と、と
ずっと言っていて。

相手がいないならそれでいいだろうと 思っていたのだ、と、 どこか空っぽの心で話している。

だが、君のような
愛する女性を見つけられて
本当に良かった。

…………。

ああ、とっても心が苦しい。

これはお互いが利用するための 関係性であって……

お義父さんが望むような、 愛する者では……無い。

だが、私と同じで愛するものには
誠心誠意尽くせる良い子だ。

大事にしてやってくれ。

……はい、喜んで。

1ヶ月だけ……ですけれど。

……いい父親ですね。

結良

ん?
あぁ、父さんのこと?

結良

んまぁ、あの人は昔
母さんを失ってるから、
俺にはそうならないよう
育ってほしいんじゃない?

……華代様とは、
結婚しなくて良かったんですか?

結良さんが愛していなくても……
華代様は貴方を愛していたはずです。

結良

…………。

急に黙られて横を見ると、 楽しそうにニヤニヤしている。

結良

え、もしかして嫉妬?
まだ1日しか一緒にいないのに⁉︎

結良

めっちゃ可愛いんだけど〜

腹部にパンチを入れてやった。

結良

樂ちゃん……強いね……。

あんまり女性だからって
舐めないでくださいね。

次は顔面行きますよ。

結良

……大丈夫、
俺の目には樂ちゃん以外
映ってないよ。

そんな事を聞いているんじゃありません。

結良

……ねね、こっち向いて?

次から次へとなんだ…… と思いながら、そちらを見る。

黄色い瞳が、 私を吸い込んでしまいそう。

夜は、お月様みたい。

海から見える、 透き通った黄色いお月様。

人魚姫も、月を眺めている時 こんな気分だったんだろうか……。

ほんの数秒。

何が起こったか自分では理解できず、 思考回路が全て停止した。

結良さんの楽しそうな笑い声で 現実に戻される。

結良

もしかして、初めてだった?

結良

奇遇だね、俺も。

っ……翠さんがいるところで
何やってるんですかこの……!

女たらし!!!!!

(あーあ、ありゃフルボッコだな。)

溺れる先にある愛を知ればええ。

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コメント

2

ユーザー

樂ちゃんがかわいそうでかわいいタイプの子で好き🫰

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