幼馴染の珈琲店

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ…

彼は私の幼馴染で ご近所さん。

生まれた頃からずっと 一緒

そう言って零は 持っていたバッグを広げた

零は苦笑しながら準備をしている

幼いような顔を見せて笑った。

コツンと頭を叩いて優しく 笑ってくれた。

静かな部屋が 騒がしくなった瞬間だった。

二っと白い歯を見せて笑った。

誤魔化すように笑った。

私の家は元々4人家族だった。

お母さん、お父さん、お姉ちゃん、 私。

でも私が8歳の時に親が離婚した。

私はお母さん。お姉ちゃんはお父さんに着いて行った。

元々お父さんが暴力的だったから、 お姉ちゃんが可哀想だった。

ある日、道を歩いていると ボロボロになった お姉ちゃんに再開した────

私はその時、12歳。 つまり、4年ぶりに姉に会った。

その時は私の声さえも 忘れていたようだった。

当時のお姉ちゃんは、 震えてばかりだった。

まず お母さんに現状のお姉ちゃんを見せた

2人は涙を流して抱き合っていた。

お母さんが手を伸ばしてくれたから 私達は3人で泣きあった。

離婚したあの日。 お父さんは無理矢理お姉ちゃんを 連れて行くと言い出した。

久しぶりにお姉ちゃんの 笑顔を見た。

昔はお父さんとも出かけたのに。

お酒に溺れてから、 頭がおかしくなった。

昔は大好きだった

今は大嫌いだ────。

今はお姉ちゃんと二人暮し

お母さんは仕事で 遠いところに行ってるから

もう3ヶ月帰ってない。

たまに電話するけど、 忙しいようで全然話せない

だからお姉ちゃんも仕事をしている。 もちろん私もバイト。

それもあれも… 全部お父さんのせい。

2人とも結構仲良しだけど 最近仕事で会ってないから 嬉しそう。

あの日お姉ちゃんに 会ってなかったら…こんなに 楽しい日々送れなかったよね。 ありがとう、お姉ちゃん。