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主。
主。
⚠️今回、Atくんと昔の巫女の話なので死ネタ要素ありですっ!!⚠️ (グロ表現などの直接的な描写はなく、死んだという事実が語られるのみ)
主。
主。
今から三百年前、俺は次世代の巫女という一人の男性をこの神社に迎え入れた
Mz(三百年前)
At
Mz(三百年前)
At
Mz(三百年前)
Pr
Ak
Mz(三百年前)
Pr
Mz(三百年前)
Ak
Mz(三百年前)
At
こうして俺は新しい巫女を受け入れたわけであったが、 当時の俺には今と違うことが二つあった
一つ目は、まだ人間のことが大好きで 誰かを新しく神社に受け入れることには何の抵抗もなかったこと
二つ目は、愛というものを知らなかったこと
Mz(三百年前)
At
後々いつまでも俺の心の中心をぎゅっと握って離れない存在となる この巫女のことも最初は、他と比べると強い力を持つ巫女、くらいの認識で、 自分が彼を深く愛することになるなんて微塵も思っていなかった
俺の中で何かが変わり始めたのは、彼が神社にやってきて1ヶ月ほどした頃だ
At
At
At
俺がそんなことをぶつぶつとつぶやきながら仕事をしていた時、 背中の方でガチャっと扉が開く音がした
At
Mz(三百年前)
Mz(三百年前)
At
At
Mz(三百年前)
At
Mz(三百年前)
At
Mz(三百年前)
俺が彼の疑問に今とあまり変わらない答えを返すと、 彼はなるほど、とつぶやきながら目を輝かせた
Mz(三百年前)
At
Mz(三百年前)
そう俺の冗談に返事をした彼の無邪気な笑顔を、初めて可愛いと思った
At
Mz(三百年前)
At
At
Mz(三百年前)
Mz(三百年前)
At
At
At
Mz(三百年前)
Mz(三百年前)
At
下手に干渉も突き放しもしてこないちょうどいい彼の接し方が心地よくて、 俺は彼と一緒にいると今までの誰よりも気が楽になるように感じていた
その後も俺たちは徐々に仲を深めていき、 俺は生まれて初めて誰かを愛しいと感じる気持ちを知った
幸運なことに彼も俺のことを愛してくれたため、 俺たちはやがて恋人になった
そんなある日、俺が中庭でうたた寝をしていると Mzが俺の肩をトントンと叩きながら声をかけてきた
Mz(三百年前)
俺は意識を少しずつ現実世界に戻しながら、声の主の名前を呼ぶ
At
Mz(三百年前)
At
At
Mz(三百年前)
Mz(三百年前)
Mz(三百年前)
At
俺の言葉を聞いて大きく頷いたMzは、 満足げな表情を浮かべながら俺の隣に腰掛けた
Mz(三百年前)
彼が俺のことを呼び捨てで呼ぶ時は、恋人として接してほしいという合図だ
At
俺がたっぷり甘さを込めてそう言うと、 彼はすり、と俺の腕に擦り寄りながら言った
Mz(三百年前)
At
At
Mz(三百年前)
At
At
Mz(三百年前)
俺の言葉の意味を正しく理解したらしいMzは、 可愛らしい顔を真っ赤に染めながらこう返してきた
Mz(三百年前)
Mz(三百年前)
大好きな恋人の愛らしいお願いに笑いながら、 俺はMzが欲しているであろう言葉を紡いだ
At
俺が少し照れながら口にした求婚の言葉を聞いて嬉しそうに笑ったMzは、 幸せそうに瞳を細めながら了承の返事を返してくれた
Mz(三百年前)
Mzと結婚の約束を交わした数日後、 一時的に村に戻っているMzの帰りを待っていると、 バタバタと慌ただしい音がしてAkが俺の元へ走ってきた
Ak
At
俺が何やら嫌な予感を覚えながらAkに言葉の続きを促すと、 彼は普段は明るい笑顔を絶やさないその顔を絶望の色に染めて 衝撃的な事実を告げた
Ak
At
この村の人間にさらわれて、命を絶たれてしまったそうです。
At
俺の人間への愛が、ガラガラと音を立てて崩れた
At
今までにないくらい低い声を出してそう尋ねる俺に、 Akは顔を青ざめさせながら答える
Ak
At
Ak
At
Ak
誰よりも愛しい人を失った俺の心に溢れた悲しみは、 瞬く間に人間という存在への嫌悪と怒りに塗り変わっていく
Ak
At
At
At
Ak
その後AkやPrの報告でMzを害した男は全ての村人から非難を受けて 極刑に処されたと聞いたが、そんなことどうでも良かった
初めて愛して初めて思いの通じた誰よりも大切な愛する人が、 愛する者とするはずの行為を理不尽に強いられ、 挙げ句の果てにはその尊い命が奪われた
この件で俺は人間が大嫌いになって、 それ以降彼らには本当に気まぐれと気分だけで接するようになった
Mz
目の前の優しい神様が経験したあまりにも理不尽な出来事に、 オレは絶句してそのような反応しかできなかった
At
At
At
普段の落ち着いた姿からは想像できないAt様の感情的な姿に オレは驚きを覚えるが、あの話を聞いた後だとまあ仕方ないよなと思った
At
At
At
At
Mz
At
At
唇を噛みながら俯いているAt様は本当に辛そうで、 そのオレによく似ているというMzという男への深い愛がうかがえる
大切な人を失ったという経験がある人はオレの周りにももう一人いて、 Tgを失ったKtyにあの時のオレは幼すぎて大好きな父親がわりが 傷ついているというのに何もできなかった
今なら何かできるかもしれないと思ったけど、 At様は過干渉されるのがあまりお好きではなさそうであるから 結局何をするべきかわからなくて固まってしまう
下手な励ましの言葉などきっとこの人は求めていない、 それならオレには何ができるだろうか?
頭ではそう考えていても、そのAt様が深く愛した巫女の話を聞いて ズキズキと心が痛むこの気持ちの正体に、 オレはこんな最悪なタイミングで気がついてしまった
Mz
At様の最愛の巫女が受けた理不尽な仕打ちへの怒りやら、 自覚した瞬間覚えた失恋の痛みやらで泣きそうになるのをこらえながら、 オレは昔Tgを失ったKtyがオレにしてくたように、ぎゅっと相手の手を握った
At
Mz
Mz
Mz
オレのこと、都合よく使ってください。
At
オレの提案があまりにも予想外であったのかAt様は目を点にして 戸惑いの声を上げながらオレを見ている
Mz
Mz
Mz
Mz
At
あなたを愛しているからです、なんて素直な理由は答えずに、 オレはその答えをぼかした
Mz
At
Mz
本当はオレがこうした理由は自分がお人好しであるからなんて 綺麗で無垢な理由ではないので、オレはそれだけ言い返す
そんなオレに、彼は笑いながら答えた
At
Mz
At
そう言って遠くに視線を投げる彼はほんのちょっとだけ楽しそうで、 少しだけでも彼の心を落ち着けるのを手助けできたかもしれないと思うと どうしようもなく嬉しかった
Mz
Mz
Mz
オレはAt様から手を離し、野点から立ち上がりながら言った
Mz
At
At
どうやらこの神様は一つだけ大きな勘違いをなさっているようなので、 オレは今までの意趣返しも込めて相手には全く響かないであろう 自己満足の仕返しをすることにした
Mz
At
オレは自分のできる限りの彼への愛のこもった笑顔を浮かべながら、 言葉にすることなどないであろう言えない想いを全部注いで 彼の耳元で甘く甘くささやいた
あなたが望むのであれば、苦しみの行き場だろうと欲の発散先だろうと どんなことだってさせて欲しいという気持ち、本当です。
Mz
At
オレの言葉を聞いて混乱しているAt様の姿を見て、 意趣返しは想定よりずっとうまく行ったらしいとオレは一人で嬉しくなる
Mz
At
オレを愛することなんて生涯ないであろう大好きな神様に背を向けて、 オレは気が抜けてあふれそうになってしまう涙を隠しながら部屋に戻った
At
そうこぼしながら額を抑えたとある神様の頬に 少しだけ赤みが差していたことは、それこそまさに神のみぞ知ることだ
コメント
2件
いやいやいやいや過去切なすぎません!?!?普通に泣きました😭まぜ太くんが亡くなってしまった時の犯人とちぐさくんが攫われた時の犯人なにか繋がりがあるのでしょうか?すごく似てる…🤔あっとくんにあんな風に言えるのかっこよすぎません!?めっちゃキュンキュンしました🥹感情ジェットコースターです笑長文失礼しました🙇🏻♀️