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転校初日。 校門の前で、蒼は立ち止まっていた。 校舎は新しい。 生徒も多い。 なのに、笑い声がなかった。 教室に入ると、担任が言う。
担任
拍手が起きる。 全員、同じ速さで。 蒼は気づく。 一人だけ、こちらを見ていない生徒がいる。 黒いノートを机に置いたまま、視線を落とした少年。
昼休み。 校内案内図を見て、蒼は首をかしげた。
旧校舎が、地図に存在しない。
蒼
放課後。 職員室の前で先生たちの話声が聞こえた。
先生A
担任
その夜、蒼はカバンの奥から一枚の紙を取り出す。
この学校では、 毎年、生徒が一人消える。
それが、蒼がここに来た理由だった。
スマホが震える。 知らない番号。
画面を伏せた瞬間、 校舎の灯りが一つ消えた。 ――この学校では、
秘密を知ろうとすることが、校則違反らしい。