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翌朝。 蒼は、少し早めに教室へ入った。 教室には、まだ数人しかいない。 静かで、落ち着く――はずだった。 蒼は、違和感に気づく。
蒼
一番後ろ。 窓側の列に、誰も座っていない机があった。
蒼
そこには確かに――
蒼は、名簿を取り出す。 最後の一行が、 不自然に空白だった。
蒼は、名簿を取り出す。 最後の一行が、 不自然に空白だった。
担任
名前が呼ばれていく。 返事が返る。 問題なく進み、 最後の名前のところで、担任は一瞬、止まった。 でも、何事もなかったように言った。
担任
誰も、何も言わない。
蒼だけが、 あの空席を見ていた。
給食。 蒼は勇気を出して、隣の女子に聞く。
蒼
女子は、箸を止めた。
女子A
女子は、急に立ち上がった。
女子B
声は小さい。 でも、はっきりしていた。
放課後。 蒼は校内案内図の前に立つ。
やっぱり、旧校舎は載っていない。 そのとき、背後から声がした。
???
振り向くと、 黒いノートの男子が立っていた。
蒼
男子は、黒いノートを軽く叩く。
黒いノートの男子
蒼
男子は答えない。 代わりに、ノートを開く。 そこには、、
ぎっしり書かれた名前。
でも、どれも線で消されている。 最後の一つだけ、 まだ消されていない名前があった。
――蒼。
黒いノートの男子
蒼
男子は、少しだけ困った顔をした。
黒いノートの男子
そう言って、背を向ける。
その夜。 蒼は寮の部屋で、机に向かっていた。 今日一日で、 三回も思った。
この学校は、おかしい。
スマホに通知が来る。 知らない番号。
「旧校舎に近づくな まだ“消えて”ほしくない」
画面を見た瞬間、 蒼は確信した。
――この学校では、
調べた順に、消される。