すみれ
すみれ
忙しい仕事を終えて帰宅した
時計の針は11時を指していた
すみれ
すみれ
私の体は疲れ果てていた
すみれ
すみれ
あんなに楽しかったデザイナーの仕事も
楽しめなくなっていった
すみれ
すみれ
私の唯一の癒しは入浴すること
入浴をしながら猫の動画を見るのが
日々の楽しみだった
すみれ
すみれ
浴室には
ぽたぽたと水が落ちる音が響く
すみれ
すみれ
ペタ
ペタ
すみれ
すみれ
耳を澄ましてみるが
何も聞こえない
すみれ
すみれ
もう一度耳を澄ましてみるが
結局何も聞こえなかった
すみれ
時計に目を向けると
針は11時20分を指していた
すみれ
すみれ
すみれ
すみれ
ガシャンッ!
すみれ
すみれ
すみれ
お気に入りの食器が
びきびきに割れていた
すみれ
すみれ
すみれ
すみれ
ペタ
ペタ
ペタ
すみれ
すみれ
すみれ
そう怒鳴ると、音は消え
部屋は再び静かになった
すみれ
すみれ
すみれ
すみれ
すみれ
電気を消そうとした
その時だった
ペタ…
すみれ
すみれ
ペタ
ペタ
ペタ
ペタ
ペタ
すみれ
”ソレ”の足音は確実に近付いてきている
すみれ
すみれ
今移動すれば
”ソレ”の足音はきっと着いてくる
すみれ
あれこれ考えているうちに
足音は自分のすぐそばまで来ていた
すみれ
すみれ
すみれ
…トントン
すみれ
肩を
弱く叩かれた
すみれ
私が振り向かないでいると
”ソレ”は再び肩を叩いてきた
トントン…
トントン…
すみれ
すみれ
トントン
トントン
トントン
すみれ
トントン
ドンドン
ドンドン
すみれ
さっきまで優しく叩いていた手は
強く叩く拳へと変わった
すみれ
すみれ
すみれ
すみれ
ドンドン!
ドンドン!
すみれ
すみれ
私は
どうすれば良かったのだろうか
コメント
1件
曖昧な終わり方ですが、この物語はこれで完結です! 続編はありません。ご了承くださいませ🙏