灰谷竜胆
なぁ兄ちゃん、帰ろうよ
灰谷蘭
ん、あぁ…おう
俺の名前は灰谷蘭。
日本最大の反社、梵天の幹部だ。
灰谷竜胆
兄ちゃん…元気ないな。どうしたの
灰谷蘭
いや…べつに
コイツは俺の弟、竜胆。
灰谷蘭
はぁ…
灰谷竜胆
何があったんだよ…(フゥ
灰谷蘭
実はよぉ…
…
灰谷蘭
あれ、三途じゃねぇか
三途春千夜
げ、灰谷
俺はコイツが好きだ。
友達とかの『好き』ではない 恋愛感情を抱いていた。
三途春千夜
ったく
三途春千夜
(スマホいじってる
灰谷蘭
(ん?写真…)
灰谷蘭
!?
灰谷蘭
三途の部下…
そこには三途の部下の 笑った写真があった
三途春千夜
んぉ、見てたのか
灰谷蘭
え、あ、おぅ…
俺はひやりと頬に汗がつたった。
もしかしたら…
もしかしたらコイツは
部下を好きになったんじゃないか
灰谷蘭
(かと言って聞けるワケでもねぇし…)
三途春千夜
…フフ、コイツさ可愛いんだよ。
その時
俺の何かが崩れる感じがした。
灰谷蘭
そ…うか…
…
灰谷竜胆
…なるほど。失恋しちまったってこと?
灰谷蘭
……失恋…なのか…な?
灰谷蘭
…俺は
声を絞り出し俺は言った。
灰谷蘭
…狙ったものは絶対に取る。
灰谷蘭
だから…だからアイツも絶対に取る。
灰谷竜胆
おー、その勢いで行けばいいじゃん。
灰谷蘭
(興味なさげ…)
灰谷蘭
けど…部下がいんじゃん…
灰谷蘭
はっきり言ってさ
灰谷蘭
"ジャマ"なんだよね。
灰谷竜胆
んぇ…兄貴、分かんねぇの?
竜胆の声がワントーン低くなった。
灰谷竜胆
ハエと同じ感覚だよ。
灰谷竜胆
邪魔なモンは消しちまえばいい。
灰谷蘭
……
俺は数秒、黙った。
いや、"そんな感覚"はもう捨てた。
俺は何せ反社だ。 "そんな感覚"を持っていれば 裏切り者なんか殺せねぇ。
灰谷蘭
っは、良いねぇ、さすが俺の弟~
灰谷竜胆
だろ?
灰谷蘭
竜胆、手伝って〜
灰谷竜胆
…はぁ、仕方ねぇな
灰谷竜胆
いつ、どんな感じで殺るんだ?
灰谷蘭
ん〜じゃあ___で、______な感じかな?
灰谷竜胆
オッケェ~
まだ夜は始まったばかり。
俺達は笑いながら作戦を立て始めた