へいへーい! バトエンが欲しいそうじゃないか!((
注意 めっちゃバトエン
この連載で使ってたアイコンじゃないけど許してね!
コメントくれた方、遅くなってごめんなさい!!( ;´꒳`;)
2023/05/3投稿
.˚⊹⁺‧ 特別編 ‧⁺ ⊹˚.
「present for You」
チャキッ
水
手に冷たい鉄の感覚。
拾い上げてみると、右手にキラキラ輝くそれは少し曲がった釘だった。
水
水
水
結局こういうのも運なんだな、とか思う。
水
このときの僕は...まだ知らない。
今釘を拾ったその手が、 世界で1番嫌いなものになることを
青
ほとけのものであろう伝言板が手に3枚。
なかなか合流できない。
青
そもそも昔、俺とノアは「普通の道」から出られないからあの通り道を作ったのだ。 そりゃ普通に逃げるのはほぼ不可能。
青
青
俺の異常なほどのほとけへの信頼は、俺自身が1番びっくりしてる。
「あいつならやってくれる」
これは1種の依存なのかもしれない。 出会った時から、「普通」となにか違う雰囲気が漂ってた。
「いふく〜ん!!」
信じざるを得ないなにかの原石が、 そこにあったから。
水
水
全部景色が同じなせいでいちいち地図を見ないとどこを走ってるか忘れてしまう。
水
なんてできるわけないか。
水
水
テイニィ
奥の方に座りながら少し驚いた顔で僕を見つめてくる。 僕もしかして1周したのかな....?
水
水
テイニィ
水
テイニィ
水
テイニィ
どうやら1回捕まってたらしい。 どうやって出たのかは知らないけど... この子に手伝ってもらったのかも。
水
テイニィ
中を見て思い出していた目の前の顔が凍りついた
水
水
ガタタッ
水
後ろからは木箱が動く音。 とっさに振り向いた時にはもう遅かった。
警備員
水
敵だ
警備員
水
1番聞かれたくないことを聞かれた。僕が捕まってもいふくんが出れるかもしれなかったのに。
警備員
水
カツッ、カランッ
汚れた大人の顔で何かを蹴る。 僕の足元まで転がってきたのはナイフだった。
警備員
水
いふくんが準備してたものかも しれないナイフ。 それをなぜか目の前の奴が持ってる。
なんで?
水
水
水
いふくんいふくんいふくん
泣きそうだよ。助けてよ。 どうか無事で居て。
どうか無事で.....
警備員
水
警備員
警備員
警備員
水
水
水
警備員
警備員
警備員
気持ち悪い。
初対面だけど大っ嫌い
その顔が
その嘲笑う顔が...!!!
水
警備員
水
水
警備員
水
水
水
警備員
嫌な目。自分から挑発しておいて、 今は震えてる。
水
警備員
水
ビュオンッ(ナイフ
あーあ....もうなんでもいいや
いふくんに会えないんだし....
青
水
水
嘘..だ.....
僕....いふくんを......
青
刺した?
水
青
水
頭の中がぐるぐる回る。 黒い目が揺らぐ。
青
人差し指で言葉を遮られる
青
青
飛ばしたナイフの辺りの服を握るいふくん。その左手は血まみれだ。
水
水
青
ガバッ
水
いきなり起き上がって僕の両肩を掴む
苦しそうな顔が目の前に来た
青
警備員
後ろの警備員を親指で示す
青
水
青
青
水
顔を見られたくなくて俯く
青
青
青
水
青
青
水
涙を拭われる。 顔を上げると、優しいいふくんの顔があった。
青
水
青
水
青
いふくんが僕の手になにかを押し付けるようにして渡す
左手をゆっくり開く。 人形用のガラスのポットに小花が葉と共に数本閉じ込められていた。
ガラスポットの本当は開いているはずの部分はすこし不格好に閉じられ、 水がギリギリまで入っている
水
青
青
涙で濡れた瞳は見開いても乾かない
いふくんが僕の肩に倒れてくる 互いの顔が見えない
水
涙で世界がゆらぐ
青
水
青
青
途切れ途切れのその言葉が痛い
青
水
僕の頭に手を置いたまま、いふくんの瞼は落ちた
首元にあった大切な人の温もりは、 僕の知らない所へ消え去ってしまった
テイニィ
テイニィ
水
水色の瞳を失った少年を自分は知っている
真っ黒な瞳は光を全て吸い込み、 ハイライトなんて無かった
テイニィ
水
テイニィ
この少年はある1人を追っている
大切な人だ
今までの人生の3分の2を牢屋で過ごしてきた自分にはわからないが、 死にたい気持ちを振り払ってその人のために生きるほど大切らしい
水
テイニィ
水
テイニィ
水
水
テイニィ
水
水
テイニィ
君に人生を語れるほど 自分は偉くないし賢くない
水
水
テイニィ
黒い瞳の少年の足取りは、来た時よりも軽かった
「あぁ....ホントに死ぬ気なんだ」
誰もがそう思えるほどに
水
ガラッ
4階の自室の窓を開け放つ
この部屋もだいぶ散らかったと思う
自暴自棄になってた時期に荒らした 部屋を直す気にはなれなかったし
水
水
自分の体の中では右手が1番嫌い
人殺しの手
左手には思い出がある
いふくんからプレゼントを受け取った手
最後に触れた感覚も、頭に手を置かれた時の気持ちもすべて覚えてる
水
いふくんからもらったハーバリウム
大きな大人の手ですっぽり入るくらいの大きさだから、僕の手の大きさだったら隙間からゆらゆら中が見える
きっと頑張って集めたのだろう
人形用のポットも
それを溶かしてくっつけるマッチも
あの季節にはなかなかない咲いている花も
1からのいふくんが集めたもの
ゆらゆら光っているハーバリウムは、僕には似合わないくらい綺麗だ
水
ガタッ(窓の枠に立つ
「やな世界でも綺麗なものはある」
って言いたかったのかな
いふくんは自分の運命もこの世界も 受け入れてたのかな
水
ごめんねいふくん
僕はこんな世界、 好きになりたくないや。
ガタンッ
コメント
5件
泣けてきます...(இωஇ`。) 幸せになれない世界線が新鮮でした! ほんとにsoraさんの言葉選びがほんとに好きです!✨ 幸せな世界線のその後のお話楽しみにしています!\(*ˊᗜˋ*)/
初めてのバットエンド!! ほぼ主人公は幸せになる結末しか考えてない頭なので新鮮でした!! そしてすごくいたたまれない!!!まぁバットエンドってそういう話なんだけどね....w 今年のクリスマスにきっと幸せな世界線のその後を出したいと思ってるから、まだ先だけどお楽しみに!