雪をも溶かす恋心

数年ぶりに見た彼は 背丈も伸び 顔も大人らしくなっていた

翔太は本当に変わっていなかった

ちょっと口が悪いのも、 そのまんま

翔太は着いてくる気が あるようだったので

俺はあの時のように 手を差し出した

翔太はぎこちなく 手を重ねてくれた

なんだか、あまりにも 翔太がどぎまぎするから

俺まで緊張してしまった

翔太をソファーに座らせ 俺はココアを入れに キッチンへ向かった

目を伏せて翔太が言う

聞きたいことは沢山あるけど なぜだか言うのを躊躇してしまった

翔太は不安げな瞳で 俺を見つめた

ずっと秘密にしていたことを 話そうとしてくれている

俺には拒む理由がない

翔太は立ち上がった

そして、俺へ手の平を向ける

ﾌﾞﾜｯ .*:ﾟ･。*ﾟ・’ﾟ:*。

俺の顔の横を 冷たい空気が掠めた

直後に、 雪や小さな氷の粒が頬に当たる

それらはすべて 俺の目の前に立つ─── 翔太の手の平から出ていた

突然の翔太の告白に 俺は間抜けな声を出してしまった

俺は目を見開いてしまった

長年の幼馴染が ファンタジーみたいな 存在だったなんて…

翔太はさっきの不安げな顔から ちょっと嬉しそうな顔になって

と言った

最後に会ったのは 小学校高学年のときだから

つい、あの時のような 雰囲気で喋ってしまう

翔太は目を逸らして そう呟いた