幼い2人が帰り、数時間が経った
水は階段に座り、赤が来るのを待つ
階段を囲うように植えられた木には 片手で数え切れる程の葉の数しか 残っていない
北風で落ちた葉が空を舞う 何気なく、その葉を目で追った
葉は階段をヒラヒラ降り、 階段の下辺りに散った
葉が降りた所には、見覚えのある 赤髪の少年がいた
@ 水
目が合うと、水は優しく手を振る そんな水に安心したか赤は元気に 手を振った
嬉しそうに階段を駆け上る赤に 思わず笑みがこぼれた
@ 赤
@ 水
@ 赤
赤の笑顔は無邪気で可愛らしく 彼が虐待を受けてる事が 信じられない
@ 赤
@ 赤
@ 水
鈴の効果があった事に 水は肩の荷を下ろした
@ 水
@ 赤
水の後ろをひよこの様な足取りで 着いて来る赤
縁側に赤を座らすと、水は狐に お菓子を持ってくるよう頼む
狐は赤には見えないみたいで、 周りを探っている姿が とても愛らしかった
狐がお菓子を持ってくると (赤にとっては菓子が浮いとる状態) 赤は甘い匂いに目を輝かせる
それでも赤は、お菓子に 手をかけなかった
@ 水
@ 赤
@ 赤
あまりにも辛い発言に 水は息を飲んだ
細く、小さい体の子がこんなにも 辛い出来事に巻き込まれている 事実が、水の心を痛める
@ 赤
@ 水
@ 水
@ 赤
@ 水
赤は、震える手でお菓子を 手に取り、口の中に入れた
ゆっくり噛み始めて、彼の口の中が 暖かく、素朴な味に包まれる
噛む度、赤の目元に涙が溜まる 一口飲み込んだ後には、彼の頬には 涙が溢れていた
@ 水
@ 水
@ 赤
@ 赤
@ 水
お菓子を持った反対の手で 美味しさを表現する彼
その笑顔に水は思わず 赤の頭を撫でようと手を伸ばす
@ 赤
頭に触れたと同時に顔を顰める赤
彼の目には先程拭いた筈の涙が また溢れ出ていた
@ 水
水は慌てて赤に謝る あの反応は、頭に怪我を しているのだろう
@ 赤
@ 水
@ 赤
無言の時間が流れる 水は何とも思わないが赤は この空間が気まずいのか、何度も 水の様子をチラチラ伺う
@ 水
@ 赤
@ 水
@ 赤
@ 赤
@ 赤
@ 赤
@ 赤
@ 水
@ 水
『ゆーくん!大丈夫!?』
@ 水
水の中で、青髪の男児が話していた愛称と赤が話した「ゆーくん」が 重なり合う
@ 水
@ 赤
@ 水
@ 水
コメント
1件
めっちゃくちゃ体調崩してました!!!ごめんなさい!! どの代わりこれからは頑張ります!ᕙ( 'ω' )ᕗ