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XX年XX月XX日────

私たちが高校を卒業してから数年後

───ここは既に、故郷の街。

芽生

うわ〜、懐かしいね

唯兎くん

ね。変わってない

芽生

でもこの辺りとかちょっと工事したんだっけ?

唯兎くん

ああ…雨莉が言ってたね

芽生

そうそう

芽生

あんま分かんないね笑

唯兎くん

そんなこと言わないの

芽生

雨莉どこだろ〜?迎えに来てくれるって言って───

雨莉

だーれだっ

そう言ってふわふわした声が私たちを覗き込んだ

雨莉

久しぶりー、2人とも

芽生

髪色変わってるーーーー!

雨莉

はは、お互いにね

十和

久しぶり

唯兎くん

はは、マジで久々だ

芽生

距離遠いもんねー

雨莉

そーだね。私たちはこっちで働いてるけど芽生たちは違うし

十和

でも俺と雨莉も割と久々だったな

雨莉

最近忙しくてさあ

十和

うん、そういうふうに見える

芽生

雨莉も芸能関係だしね、スタッフ側も大変なんじゃない?

雨莉

まあね、でもたまに千歳と会えることもあるから楽しいよ

唯兎くん

関係バレたらやばいんじゃないの?

雨莉

んー、まあお互いバレてもいい覚悟ではある

雨莉

バレるまではもちろん隠してるけど

唯兎くん

そうなんだ

芽生

今日はこんな4人だけどあの人は嫌がらなかったんだ?

雨莉

あはは、子どもじゃないんだから

雨莉

それに向こうも今頃────

千歳

───てことで

千歳

おかえり美蘭〜!

千歳

KP〜〜〜!

美蘭

いぇ〜い!ただいまー!

恋先輩

おかえりー

美蘭

やっと会えたね〜、長かった

瀬名

こっち3人はたまに会ってたけどな

美蘭

たまにって?

瀬名

月1?

美蘭

お〜、結構だね

千歳

まあ仕事でってのもあるけど

美蘭

てか千歳ー笑。まぁた派手な色にしたねそれ〜

千歳

っせーな仕事だよ!

千歳

次ドラマ出演決まっちまってさぁ、役なんだと思う?

美蘭

えー?金髪?ってことは…ヤンキーとか?海外の人?

恋先輩

そんなことある?

恋先輩

さすがにエグい発想してるでしょ極端すぎる

瀬名

これが"高校生"らしいんだよ

千歳

なんで先言うん笑

千歳

まあそゆこと、もう20過ぎてるっつーのに

美蘭

へ〜まあいいんじゃない?いけるいける

美蘭

私なんてこの前の役中学生だったんだから

千歳

あれ見たわ、無理あったよな

美蘭

失礼だな〜、でもやっぱネットでの評判酷かったよ〜

美蘭

私自身は貶されてないけど、キャスティングに関してさぁ

恋先輩

2人ともめっちゃテレビで見る

恋先輩

アイドル時代は美蘭と組んでたはずなのに、みんな全然方向性違うよね

千歳

あ、ちょっと待ってて、雨莉から連絡───

千歳

ん?

雨莉

ちーとせ

雨莉

やっぱりいた笑

千歳

おー、まあそりゃ来るか、お互い行きつけになっちまってるもんな

仕切りの奥から顔を出してきたのは、愛する恋人だった。

雨莉

個室だしなんだか居心地いいもんね

雨莉

じゃー楽しんで、私たちあっちの席だから

美蘭

えー、せっかくだから一緒に呑もうよぉ〜

雨莉

美蘭先輩〜、久々に会えて呑みたい気持ちは山々ですけど

雨莉

今日は4人で楽しんだ方がいいんじゃないですか?

美蘭

そっかー、残念

雨莉

んふ、私ともまた呑んでくださいね

千歳

チッ、いつのまに仲良くなって…

あの可愛い表情で呑みに誘われることに少し妬きながら俺は舌打ちをした。

そして思い出したことを口にする

千歳

雨莉いつ帰んの?

雨莉

んーまだ決めてないよ、なんで?

千歳

帰りは迎え行くから連絡して

雨莉

やーん最高♡

雨莉

ありがとう、じゃああとでね

ニコッと笑うその顔を見て、やっぱかわいいな、と思いながら俺は烏龍茶を胃に流し込んだ。

恋先輩

げぇ、だから酒呑んでないのか

千歳

そゆこと。恋人愛強いんで

瀬名

コイツ…笑

雨莉

かんぱ〜〜い!

芽生

わーーい美味しい

十和

俺これ頼みたいんだけどなんかいる人?

雨莉

あ、私これ追加したーい

十和

はーい

芽生

てか雨莉〜〜千歳さんとめちゃくちゃいい感じじゃんか!

芽生

めっちゃ優しそうだし!

雨莉

優しいよ〜、もう正直溺愛笑

雨莉

でも芽生も楽しそうだったね、写真いっぱい見たけどさ

十和

それな

雨莉

十和は?どーなの?

十和

俺?…んー

十和

十和

どーだろ。…内緒、かな?

唯兎くん

なんかある感じなん!?

芽生

えー、気になる

十和

いや別に

雨莉

分かんないよー!

雨莉

十和って未だに自分のこと全然話さないよねぇ

十和

俺は話聞く方が好きかな

十和

そっちの方が楽しいし

唯兎くん

ま、ガチでなんかあったら教えてくれるか

雨莉

そだねー…

芽生

あ、そうだ、ねえねえ

芽生

今度4人でここ行かない?

雨莉

え〜!なにそれ、行きたい!

十和

行こっか

唯兎くん

元は俺と2人で行くはずだったのにな〜

雨莉

はい成敗

十和

せーばい

唯兎くん

ごめんて

唯兎くん

俺も4人で出かけたかったし、いい機会だと思ってるよ

唯兎くん

車は俺が運転するし

雨莉

さいこーーーー!

十和

楽ちんだー

芽生

ふははっ、やばい、楽しい

芽生

元気度変わってなさ過ぎでしょ

芽生

ほんとに成人した?笑

雨莉

してるよ笑!これでも落ち着いたの

十和

雨莉確かに、たまに会ってもそんなに騒がしくない

雨莉

ほらねーっ

雨莉

今日は会えて嬉しいんだからいーでしょ!

雨莉

ていうか2人こそ恋人感増し増しじゃんか?

芽生

そうかな

雨莉

そうだよ!

雨莉

はやく結婚しちゃえばいいのに!

その日はとにかく盛り上がった

日が変わって少しして解散することになったので、雨莉は千歳さんと帰っていった

十和はコンビニに寄ると言って私たちから離れた

学生の頃はまだしも、今の私たちは3人でも当たり前のようにいられるので気を使ったとかではないだろう

そして

芽生

…結婚、しちゃえばいいのにだってーぇ

唯兎くん

ふふ、言われちゃったね

唯兎くん

じゃあ芽生ちゃんが俺のこと唯兎って呼ぶようになったらはどう?

芽生

それなら芽生って呼んだらは?

唯兎くん

冗談だよ

唯兎くん

芽生ちゃん言ってたもんね

唯兎くん

特別感がいいんだって

芽生

そゆこと

芽生

でも結婚したらさすがにヤバイかな〜

唯兎くん

子ども産まれるまではいいんじゃない?

芽生

え〜、迷うな

唯兎くん

…うん、悩むね

唯兎くん

もう少しだもんね

芽生

…うん

芽生

私の誕生日、ね

唯兎くん

うん

唯兎くん

芽生ちゃんが言ってた"結婚したい年齢"まで、ね

芽生

ふふふ

芽生

別にもういいのに、いつだって

唯兎くん

ダメだよ

唯兎くん

俺たちはこういう小さなことを大事にするって決めたじゃん

芽生

分かってるよ、分かってて、言ったの

芽生

…好きだよ唯兎くん

芽生

あなたといられて、幸せ。

唯兎くん

うん

唯兎くん

俺も、愛してるよ

───それからさらに少し後

私たちは籍を入れる。

でもまだこの頃の私たちは、それを知らない。

それでも明るい未来を確信して──、隣の大切な人と、笑っている

見た夢と、見せてくれた夢と、未来への夢を抱えて───。

そして───新しい生命を、授かる。

子どもの名前は"夢"。

あの子もたくさん、幸せな夢が見られますように。

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