短編

この教室には、両片想いの人達がいる

なぜそれほど言い切れるのかというと

……まぁ、見てれば誰もがそう思うほどに

仲が良く、信頼しあっているからである

かつて、彼らは｢心友｣と呼ばれていた

だが、男子の方が徐々に距離を取り始めて

それを相手が追いかけて

その行動に嫌気がさしたのか

急に猛アタックしようとし始めた

それで、クラスの全員が気づいた

｢あ、これ面白いやつだ｣と

しかし、同時に彼らは思った

｢これ、俺らが変にいじったら大失敗するやつだ｣と

そして、彼らは暗黙の了解として

この恋人未満のカップルを見守ると決めたのである

断じて催促などはせずに

お互いに納得できる形でゴールドできるために

我々クラスメイトは壁となったのである

しかし、いつ見ても面白い

おまけに目の保養である

卒業まで、あと半年となったが

かれの行く末を見届けるのは

クラスメイトとして

最後の責務かなと

勝手に思っていたり