狂った脱出ゲーム

－0:30 　0:00

ピッと音を立てて時計は表示を変える。

ｶﾁ

ｶﾁ

ｶﾁ──

──どのくらいの時間が経ったのか。

体育館の扉から、青い人影が1つ入ってきた。

慌てる凜音と、冷静にいるリユ。

入ってきた人影、基、鬼は弓を持っていた。

リユは時計に目を向けた。

－0:25 　0:05

凜音がリユに声をかける。

リユは決意を決めた。

リユはロケットランチャー、凜音はライフルを構えた。

凜音が鬼の頭に向けてライフルを撃ち、リユもすぐさま左腕にランチャーを撃ち込む。

ダメージを受けた鬼は怒ってリユ達の方へ向かってきた。

リユはテンパっている凜音の手を掴み、体育倉庫から飛び出した。

リユ達を捕らえようと鬼も追いかける。

リユは素早くランチャーを構え、鬼の右腕に撃ち込んだ。

鬼は、既にランチャーによって両腕が吹き飛んでいるが、それでも尚、リユ達に向かって走ってきた。

リユは判断ミスを悔やんだ。

ﾊﾞﾝﾊﾞﾝﾊﾞﾝﾊﾞﾝ

リユは鬼の右足を目掛けてショットガンを撃った。

そしてようやく、鬼は苦しそうに悶えた。

リユは、そんな鬼にゆっくりと近づいた。

凜音はリユに叫ぶ。

－0:20 　0:10

悠斗が指さした方向には、鬼らしき青い人影が2つあった。

悠斗は露骨に嫌そうな顔をした。

鬼が近づいてくると、鬼の持つ武器が見えるようになった。

悠斗は、ショットガンの鬼の脳天を目掛けてショットガンを撃った。

ﾊﾞﾝ、ﾊﾞﾝﾊﾞﾝ、ﾊﾞﾝﾊﾞﾝﾊﾞﾝ

無敵では無いものの、生命力の高い鬼に嫌悪感を示す悠斗だった。

悠斗は、蒼の死亡フラグを阻止しようとした。

蒼は、悠斗に声をかけられる前に走り出した。

ﾊﾞﾝ、ﾊﾞﾝ、ﾊﾞﾝ

鬼の撃った弾が頬、左腕、横腹に被弾する。

それでも構わず、止まらないように走り続けた。

自分の命を投げ打ってでもあの鬼を倒そうと思っていたから。

ﾊﾞﾝﾊﾞﾝﾊﾞﾝﾊﾞﾝ

鬼も焦ったようで、4発のうち1発しか当たらなかった。

蒼は、鬼の前で大きくジャンプし、刃渡りの短いナイフで的の右腕を切り落とした。

ﾊﾞﾝ!

その瞬間、蒼は腹を撃たれた。

蒼は、痛みを押し殺して鬼の左腕を切り落とそうとするが、後退りで避けられた。

その時…

ショットガンの鬼が地面に倒れ込み、体が消えかかる。

その鬼は、肩から腰へと切り落とされていた。

意識が朦朧とする蒼の視界が最後にとらえたのは、残った鬼の脳天に長剣を刺す悠斗の姿だった。

－0:06 　0:24

この鬼は、首を切り落とされ、両足を切り落とされ、心臓を3回ほど刺されているにも関わらず、未だに生きていた。

しかも、最初にライフルで脳天を撃たれ、ランチャーで両腕を吹き飛ばされているのに、だ。

リユは右手を刺した。

リユが左目を刺すと…

鬼はようやく動かなくなり、体が消え始めた。

－0:03 　0:27

蒼が目を覚ました。

蒼は申し訳なさそうに告げた。

蒼は、少し安心したような表情で答えた。

－0:00 　0:30