ある日、私の元へテレビ出演の依頼が来た。
内容はある有名番組の大人気コーナーのひとつに出演するというものだ。
鳴海
お母さん‼︎もしかしたらこれで有名になれるかもしれないよ‼︎
母親
そうね...
鳴海
選考方法はオーディション形式だから応募してもいい⁉︎
母親
いいわよ...
どうしたんだろう?
お母さんはいつもより暗いテンションで言った。
鳴海
じゃあ私、これに応募するね‼︎
母親
....
体調が悪いのかと思ったが、後にそれは大きな間違いだと私は知る。
あれから3日後、返信が来た。
鳴海
えーっと...
鳴海
鳴海
1次審査突破ッ⁉︎
鳴海
うそっ⁉︎本当にっ⁉︎
メールには1次審査の合格と2次審査の時間と場所が記載されていた。
ドタドタッ‼︎
鳴海
お母さん‼︎1次審査通過したよっ‼︎
母親
そう...よかったわね...
鳴海
この前からどうしたの、お母さん?どこか体調でも悪いの...?
母親
全然...
母親
でも少し放っておいてくれないかしら...?
鳴海
そんなことできないよ‼︎もし病気とかだったら大変じゃん‼︎
母親
大丈夫よ...
鳴海
でも...
母親
母親
大丈夫だって言ってるでしょッ‼︎
鳴海
っ⁉︎
突然のお母さんの大声に私は驚いた。
母親
あ...
母親
母親
ごめんね...でも本当に大丈夫だから...
鳴海
う、うん...分かったよ...
鳴海
じゃあ私、発生練習してくるね‼︎
鳴海
それじゃ...
私は逃げる様にその場を去った。
だがその際に見たお母さんの顔は今まで見たことがないほど暗かった。
きっと疲れているんだ‼︎
そう私は勝手に思いながら、普段より小さめの声で発声練習をした。