ピンポーン、ピンポーン
蓮
花奏
蓮
花奏
花奏
蓮
花奏
男の子の一人暮らしって聞いていたからいろいろ食材とかおでこに貼るやつとかも買ってきてやったのに…!
ついでにアイスも!
蓮
花奏
蓮
捨て台詞のようにそういいあたしが言い返す暇のなく自動ドアが開く
とにかくだだっ広いエレベーターで澤本君の部屋の階について
澤本君の部屋番号の前に立ちインターホンを押す
ピンポーン
…あの反応ないんですけど
もしやと思いドアノブをゆっくりと引く
ガチャ
なんと不用心な
花奏
そのまま扉を開けてみると
廊下に一体の、死体…?
こ、ここ、これって…
花奏
持っていた袋を投げ捨てて慌てて澤本君に駆け寄る
花奏
花奏
蓮
うちの学校で人気者の彼はこういい眠りについたのだ
この男は確かお昼ご飯を家で食べていた。 だから帰っていったのはお昼過ぎ
そしてただいまの時刻、午後四時過ぎ
なんでも完璧にこなせそうな澤本君が以外にも買い物するの忘れて冷蔵庫の中空っぽ
そして次の日買えばいいやと思って放っておいたらまさかの熱を発症し家から動けないということになっていたようです
花奏
まさかこんな広いキッチンを来て早々使うなんておもってなかったけど、とりあえず野菜たっぷりのおかゆを作っていた
ちなみにさっき死にそうになっていた人には、与えていいのかわからなかった
おなか壊しているわけじゃないから多分大丈夫だと思うけど、とりあえず買ってきていたアイスを渡して部屋に戻っていただいた
そんなこんなで出来上がったおかゆ
そなえあれば憂いなしってこういうことを言うんだろうな
花奏
お茶碗が見つからなくて鍋をそのまま持ってきたけど
てか、そもそもこの家にお茶碗なんてあるのか?
なんてことはどうでもいいか
蓮
本当に辛そうで小さな声でそういう澤本君
だからあの風邪菌は極悪って言ったじゃん
ドアを開けてベッドに腰かける澤本君にあたしはおかゆを持って行った
男の子の部屋ってすごい
黒を基調とした家具でほとんどものが置かれていない
あるものといえば普通に大きいテレビと、パソコン、そして勉強机の上に置かれている参考書くらい
蓮
きょろきょろしていたのがおかゆをどこに置けばいいのかわからないと迷っていたと思ったらしい
部屋を観察していた自分にハッとしてあたしは足を急がせた
花奏
おかゆを作っているときから思っていたけど、昨日うちにいれたのが恥ずかしいくらい広い家
あまり生活感がないくらいにきれいに片付けられていた
蓮
熱に浮された顔で、澤本君は詰め込めるだけ詰め込んだ野菜入りのおかゆを見てそう言った
花奏
花奏
蓮
花奏
仕方なくというように一口食べたら、一瞬驚いたような顔したあと
だまって食べ続けていた
…て、感想くらい言わんかい!
なんて一言言ってやろうかと思ったんだけど病人だから大目に見てやろう
そうそう、この男細いくせに結構大食い
まぁ喧嘩とかするから仕方ないんだけど
食べているのを見ているのもどうかとおもって、それにキッチンの片付けも途中だから、あたしは席をはずそうとした
花奏
するとすかさず腕をつかまれる
花奏
蓮
眉を小さくよせであたしを見上げる澤本くん
でた、たまに見せる子犬モード
あたしが悪いことをしているみたいじゃんか!
よっこらしょ、とベッドのそばに寄せていた椅子に再び座った
澤本君はあたしが座ったのを確認するとまた食べ始めた
それからというもの、お皿を片すときあたしの分のアイスを取りに行くときも
あたしがどこに行くにも常に視線が向けられていた
花奏
蓮
聞けばこうやってあたしに背を向ける
だから結局、食材たちと一緒に買った本を読んで暇をつぶすことにした
蓮
まだ熱で辛そうにしている澤本君が言った
花奏
花奏
蓮
蓮
ふいにそういわれた言葉に本からかおをあげた
澤本君はゴホゴホと苦しそうに咳をしながら
蓮
はああ!?!?
花奏
花奏
顔を合わせたら文句言ってやる!って意気込んでいたのに、玄関先で倒れていた澤本君を見ていたらそんなことなんて忘れていたけど
顔を真っ赤にして目の前で寝ている澤本君を思いっきりにらむ
蓮
え、無視!?
やれやれと机に置かれていた時計を見ると、澤本家に来て、すでに一時間半が経過していた
花奏
蓮
立ち上がると、こちらに背を向けたはずの澤本君が言う
花奏
蓮
なんだろう、当たり前のことなのにすごく悪いことをしている気分になる
その背中が、あまりにも寂しそうに見えるから
花奏
蓮
なんか話題はないかと考えた結果がこれ
蓮
花奏
蓮
はい、でた。無視ですよ
でもよくよく考えてみたら今高熱でうなされているこの人はお母さんにも、伝えてないってことはこれからも呼ぶ気はないってことよね?
絶賛子犬モードなのに一人になんてしたら、この人消えちゃうんじゃない!?
蓮
なんか帰りがたい
蓮
蓮
花奏
蓮
めちゃくちゃ辛そうな咳しているのに
それにこの風邪がつらいのなんてあたしが一番わかっている
と、あたしのスマホが鳴った
蓮
花奏
あっかんべーをしてあたしは部屋を出た
花奏
ひより
なんと相手はひよりちゃん
花奏
花奏
ひより
さすがひよりちゃん、ナイスタイミングだ
花奏
ひより
ひより
花奏
思わぬ客人もきたし
ひより
花奏
ひより
ひより
ひよりちゃんからその名前が出てきたことにびっくりする
花奏
ひより
ひより
ひより
ひより
花奏
ひより
なるほど…今全部のつじつまが合った
昨日2人じゃなくて澤本君が来たこともあたしの家を知ってたのもそれに誕生日のことも
ひより
ひより
ひより
花奏
ひより
花奏
ひより
花奏
ひより
花奏
ひより
ひより
そうだよね。ひよりちゃんは紫蘭のお姫様?ってやつだからいなくなるなんてダメだよね
花奏
花奏
花奏
コメント
1件
面白かったです❕ 次も楽しみにしてます‼️