テラーノベル
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「ねぇ、聞こえている?」
「まだ、私の声は君に届くの?」
「……」
「聞こえている前提で話すね」
「私ね、君のこと」
「そんなに好きじゃなかったよ」
「君に言われたまま付き合った」
「…馬鹿な女でしょ?」
「…だから」
「早く、私の事なんか忘れて」
「他の人と幸せになるんだよ」
君に聞こえて欲しかった言葉を
ただ空気に吐き出した
言葉は空気に解けて消えた
…やっぱり、届かなかった
1番伝えたかった言葉を、聞こえないことをいいことに吐き出すことにした
これを言ったら、未練が無くなるから
もう二度と貴方に会えない
でも、最期の言葉がこれになるなら
聞こえない方が、楽だ
「大好きだよ」
1番伝えたかった言葉を
1番卑怯な方法で伝えた
ね?馬鹿な女でしょ?
だからさ、早く立ちなよ
…頼むから、そんなに泣かないでくれ
コメント
4件
言葉を伝えても聞こえない。彼女はいないのに言葉が聞こえる。本来だったら彼女の言う通り声が届くことはないのに言葉が貴方に聞こえた、ってことは空気が貴方に彼女の気持ちを知らせるために言葉を届かせた…のかな……🙄🙄(語彙力)
「幻聴でも良かった。あの時、彼女の声を聞いた気がしたんだ」