それから私は、
暇があれば、 あの店に通った。
家で勉強するのなんて、 集中できないし、
すぐにスマホを 触ってしまう。
でもあのお店は、
景色もいいおまけに、 雰囲気もいい。
だから、すごく集中して 勉強ができるのだ。
でも行く理由は、 それだけじゃない。
店員の、 『ぺ』さんがいるから。
私が『ぺ』さんに対しての 気持ちを知ったのは、
つい最近で。
『ぺ』さんが持ってきたカフェオレに、 たまたま手が当たり、
カフェオレが溢れた。
『ぺ』さんが着ていた エプロンは、
カフェオレ塗れに なってしまうし、
床にも、 カフェオレが溢れた。
でも『ぺ』さんは、 何一つ文句も言わず、
『大丈夫です。そういう日は、 誰にでもありますから。』
と、笑顔で返してくれた。
そこで私は、 自分の思いに気がついた。
かっこよくて、 眼鏡が似合ってて、
優しいし、 笑顔が美しい ——
こんな人を好きなったのは、 初めてだ。
そこで、私は、 あることを決めた。
“ もし大学に受かったら、 『ぺ』さんに告白する “
という、難易度な試練だ。
それで今日も私は、
『ぺ』さんがいるカフェに、 足を運ぼうとする。
- 玄関 -
服装もメイクも、 バッチリ決め、
いざ、あの店に 向かおうとする。
すると ——
??
と、後ろから 尋ねる声がする。
後ろを向くと、 そこには ——
私のお兄ちゃん、 ” さんよん “が立っていた。
○○.
驚いて、 目を丸くする私に、
お兄ちゃんは笑いながら、 私の頭をポンポンと叩く。
🐥さんよん.
🐥さんよん.
○○.
○○.
かなりシスコンな お兄ちゃんを私から離し、
ドアを開けようとする。
するとお兄ちゃんは、 私の腕を掴んでくる。
🐥さんよん.
低い声で言う時は、
お兄ちゃんが、本当に 怒っている時の証拠だ。
そんな声で 言われてしまえば、
あのカフェに 行くことはできない。
○○.
恐る恐る聞くと、
お兄ちゃんは表情を変えず、 私の目をしっかり見て言った。
🐥さんよん.
🐥さんよん.
確かに、今は、 もう冬になりかけている11月。
風邪は流行ってるし、 やけに寒い。
だから、お兄ちゃんの 言っていることは、正論だ。
それに、小さい頃。 私が重い風邪にかかり、
入院した事件まであった。
お兄ちゃんは、 そのこともあり、
余計に心配しているのだろう。
そんなお兄ちゃんを 裏切る訳には行かなかったから、
今日は仕方なく、 行かないことにした。
それから、 何ヶ月か立って。
結局お兄ちゃんは、
『風邪引く』と言い、 ずーっとカフェに 行かせてくれなかった。
でも、お兄ちゃんが 勉強を教えてくれて。
無事、 大学に合格した。
大学に合格したのは 良いものの、
受かったら、 ” 『ぺ』さんに告白する “ という試練があったのだ。
もう3ヶ月以上 あのお店に行ってないけど、
『ぺ』さんへの気持ちは、 やはり変わっていなかった。
今日は、 意を決して、
私の思いを 伝える。
いつも応援してくれたあの人に。
家を足早に出た私に、
お兄ちゃんの引き止めの言葉は、 何故か無かった ——
- 恋の甘い味 中編 -
- 終わり -
コメント
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サンヨンだ笑 (消しちゃった🌟) 学年2取ったから褒めてね💗
サンヨンが兄とか は? は?
よきどす