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アイツが犯人だと気づいたのは、 真冬が死んで2年経った頃だった。
現実逃避のために、2年ぶりに真冬の部屋に入ったのが きっかけだった。
真冬の勉強机を漁っていたところ、1冊のシワシワな 日記帳を発見。
中には一日の出来事がこと細やかに書かれていた。
そしてそこに、僕の知る友人の名前が載っていた。
【有原 航(アリハラ ワタル)】
小さい頃から僕ら兄妹と仲が良く、僕の親友だった。
サッカースクールに通っていた僕の代わりに、よく真冬の面倒を見てもらっていた。
その日記によると、僕の知らない間に2人は付き合うようになっていたらしい。
序盤は幸せそうな空気が流れ、褒められたことや嬉しかったことが素直に書かれていた。
が、その3ヶ月後、妹の日記帳には、
「航くんに会いたくない。」 の文字。
その右側に、詳しい内容が書かれていた。
才賀 真冬
才賀 真冬
才賀 真冬
才賀 真冬
才賀 真冬
そして最後に_
才賀 真冬
才賀 真冬
才賀 真冬
それが、真冬が自殺を決行した日の最後の日記だった。
悔し涙と共に、航への抑えきれない殺意が湧いてくるのがわかった。アイツのせいだと、確信した。
煮え切らない思いに、とうとうぼくはナイフを取ってしまった。
真冬はあいつに服を奪われて限界に達し、自殺に至った。
だから僕は航の服を無理やり剥ぎ取って縛り上げ、首を何度もナイフで切りつけて殺した。
殺したのは、あいつが犯人だと知った1年後だった。 しっかり計画を立てたよ。
みっちり1年間。
アイツに命なんて必要ない。
妹の命を奪った罪は死に等しく、 刑務所に入れ罰を受けるよりも
遥かに重いものなのだ。
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