空
しかし岩手は雪がすごいなぁ
澪
慣れたものよ。
空
そっかー、実家も岩手?
澪
そうよ。一人暮らしって言ってもそれほど離れてないの。
空
そうなんだな。余命を宣告されてから親には会ったのか?
澪
うん。一応会ってはいるよ。病気のことは順調に回復していると話してるけどね
空
なるほどなぁ。
空
親には話さないのか…?
澪
うん…。まだどこかに余命を認めたくない自分がいて。それを話しちゃったら余命を受け入れたことになるのが怖かったのかな…。
澪
でももう大丈夫!病気治してくれるんだから、親にも言わなくていいでしょ!
空
そ、そうだな!
空
(澪の病気は絶対に俺が治す。でも今の俺の力では到底無理だ。)
空
(まずは情報収集が先だな)
空
なぁ澪!
澪
ん??
空
澪の通っている病院は結構でかいのか?
澪
もちろん。岩手で1番大きい病院よ。
空
それだ!今度俺も一緒に行っていいか!
澪
うん。いいけど、
空
次はいつだ
澪
ちょうど来週の日曜よ
空
わかった!
医者
はい。じゃあまた来月きてね。
お疲れ様
お疲れ様
澪
ありがとうございました。
澪
(ここ最近は特に変わった検診などすることもなく、メンタルケアのようなことをされている。私は幸い、今あまり症状がない。だからあまり病院に行く必要もないと思っている。)
澪
空、終わったよ、ってあれ?
病院に来るまでそばにいた空の姿はなかった。
空
しかしでっけぇ病院だなー
空
よしじゃあ始めるか
ガラガラガラ
空
あのぉすみません。
???
んん、なんだー?
空が話しかけた謎の男はあくびをしながら振り向いて返事をした。
空
あのぉ、僕空っていいます。さっき入院患者の名簿を見て、この方が余命宣告されていると書いてあったのでお話に
そう。空は余命宣告をされた人に憑いている神に話を聞きに行ったのである。
神
あぁ。このじーさんはもう長くは生きられねぇ。長くてあと1ヶ月といったところだ。
空
そんな…!何か改善策は…!
神
ねぇよ。俺ら神は余命宣告されるような病気は治せねぇ。俺だって頑張ってんだぜ?もうどうにもなんねぇじーさんが死ぬまで退屈な日々過ごしてんだからよぉ。
空
…。
空
余命を宣告されて、あと少ししか生きれないと分かった人の気持ちを考えたことはあるか……
神
あぁ?何ムキになってんだ。俺も気の毒だとは思うぜ?
空
お前からそんな気は一切感じられない。俺の憑いた人間も余命宣告されている。1年だ。
空
俺は必ず彼女の病気を治す。
神
あぁ、そりゃ頑張りな。そのうち分かるさ。
後に、彼の言っていたことを痛感する時がくることを空はまだ知らない。






