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ライブハウスに来てから、大体30分くらい経った

最初は人が多くてなかなか慣れることができなかったが、だんだん馴染めてきた

真冬

……あれ、彼方さんは?

翔太

彼方さん?あぁ、あの人ならステージの裏にある部屋にいると思うよ

真冬

わかった、ありがと!

コンコンッ

真冬

彼方さん、いますか?

彼方

…真冬?いるよ、どうしたの

真冬

いや、ちょっと聞きたいことがあって…

真冬

…どうして今日、僕をここに連れてきてくれたんですか?

彼方

…真冬のお母さん、勉強以外に道はないって考えてるんでしょ?

真冬

はい…

彼方

でも、俺はそうでもないって思ってる

彼方

実際俺は勉強より音楽のほうが向いてるし、多分この先もこうやって暮らしていくと思う

真冬

っ…!

彼方

だから、真冬が向いてるものはなんだろうなって、俺が気になっただけ

彼方

ライブハウス見る目からして、多分真冬は俺と同じだと思うよ

真冬

同じ……?

彼方

『音楽が向いてる』ってこと

真冬

……音、楽…?

思いもよらない言葉が出てきて、僕は目を見開いたまま立っていた

彼方

真冬、声いいし、飲み込み早そうだから楽器とかできそうだし

真冬

…一応昔、ピアノは習ってました、けどもうだいぶ前ですし…

彼方

いいんじゃない?感覚って、意外と残ってるものだと思うから

真冬

…そう、なんですかね

まだ向いてるとか、やりたいとかは考えられない

でも……

真冬

…あの!

真冬

僕、もう少しだけここにいたいです

彼方

!!

真冬

もっと知ってみたい、勉強じゃなくても進める道を!

彼方

…………

真冬

……ダメ、ですか?

僕がそう聞くと、驚いていた彼方さんが少しだけ微笑んだ

彼方

…ううん、いいと思う

真冬

っ!

真冬

あ、ありがとうございます…!!

僕は、嬉しいやら喜びやらの気持ちで胸が熱くなった

そして僕は、その勢いで彼方さんの肩に顔をうずめた

彼方

っ……!

ガチャっ

翔太

まふくん?大丈夫…

翔太

ま、まふくんっ!?

真冬

あ、天ちゃん……

翔太

な、何があったのかはわかんないけど…

翔太

よかったねぇ!まふくん!!

そう言って、天ちゃんは僕のことをたくさん撫でた

真冬

ちょ、天ちゃん!髪みだれるから…

翔太

いいのいいの、今日くらいね!

真冬

ま、まぁいいけど…

2人の優しさに、僕は心がほんのりと 暖かくなった気がした

『君と僕の忌避進路』

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